- 作者: よしもとばなな
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2003/01/20
- メディア: 単行本
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もともと私は淡々とした空気感が好きで、というところでばななさんの小説は、毎回奇妙な人が出てきてあり得ない出来事が起こったりして、その描写が大げさに感じることもあり、若干違和感を覚えることも。その「奇妙な出来事」は登場人物の人間性の豊かさによって起こることがほとんどで、でも個人的には、「そこまで大げさにやらなくても、ここに登場するひとたちが素敵だということは、十分伝わっておりますよ」という気分になる。でも、そこを書かずにはいられない先天的なエネルギーがばななさんにはあるように思ったりして、「だからばななさんはすごい小説家なんだなー」と思ったりも。
長々書いてしまった。しかし、『ハゴロモ』おもしろかった。故郷の川の描写がすき。川のある街で育った人たちの性格、人間性を、街から離れて時間が経過した主人公があらためて観察するのだけど、もうほんとうに、「わかるわかる」という感じだったし。良しあしだけではない、ありのままの状態をきちんと観察する主人公の視点は、私には安心感を与えてくれる。ありのままを見るのって、「果てしない優しさ」のような気がするのだけど。なんだろうな、その辺の感覚を言葉にするのって難しいね。そのへんが知りたくて、また本を読んじゃうのかもしれないなー。ヘンテコな文章ですみませぬ。なんだ、ビールのせい?しかし、こうとしか表せないので文章はこのままにしておこう。