てんとてん

喫茶好きのイラストレーターの日常ブログ。てんからてんへ、いろんな日々。このたびブログタイトルを「マーブルマーブル」より「てんとてん」に変更しました。

北海道小樽市の喫茶巡り『美園』『あまとう』『コロンビア』と札幌市の『喫茶サンローゼ』と『バーやまざき』

今回札幌へ行くことになったのは、ずばり、母へのお返しなのでした。結婚式では夫のご両親ともどもほんとうにお世話になり、まだまだ微力な私たち夫婦だけではできないことがたくさんだったのですが、何かの形でお礼をしたいな。しかも、なんだか、普通じゃなくて(?)、ちょっとおもしろく楽しく出来ないかな…と思っていて、考えたのが札幌と小樽への旅のご招待なのでした。
つまり、お金はすべて私の支払いで、2人でおでかけすることにしたのです。

雪の中を特急列車は走る。。。こんな雪で、札幌や小樽をずっと歩くのかと思うと、ちょっと不安でした。

ですが札幌は雪が積もっていなかった! 同じ北国でも寒さや積雪量が、ちょっと違うんですよね。
札幌で、もろもろ用事を済ませ、ランチもする。街中を少し歩いたけれど、札幌は喫茶店がめちゃめちゃ多いなあって思った。それも、きちんと珈琲にこだわったような、外観もすっきりとした正統派喫茶店。純喫茶もちらほら見かけた。時間がなくて行けなかったけど、街それぞれの喫茶店の特徴ってある気がして、見ていて楽しい。。。


小樽へ。荒い海は日本海。いつも思うけれど、「ぜにばこ」っていう駅名はおもしろいなあ。「銭函」と書く。どんな由来なんだろう。
ちなみに小樽は、0〜2歳まで住んでいたそうだが当然ながら記憶はない。けれど、毎年夏休みに遊びにきていた街だし、私は中学生の多感な頃にむしょうに小樽の街並みやガラスの雑貨などにロマンを感じ、友達と2人旅に来たり、その時にはどきどきしながら喫茶店に入ったりして、それを大事に日記に書いたりとか、自分にとって好きなもののベースを築いた街(おおげさ…)という感じで、特別な所だったりもするのだ。
小樽は有名な運河の風景はもちろん、昔のモダンな銀行などの建物が当時のまま残っていたりして、素敵なのです。



いちばんのお目当てだった「光」がお休みで、がーん。私の情報では「不定休」だったのだが、実質水曜日がお休みのようで。。。
「ここには良く来て…途中で改装してねえ…どんどん観光客が増えてさあ…」という母の声が、ぼんやりと遠くに聞こえました。仕方ないです。また今度ね!!

『美園』

そして、向かいにある「美園」へ行く。アイスクリンと鍋焼きうどんが名物のお店。「甘酒アイス」、なんてかわいいパッケージなのだろう!
「鍋焼きうどん」といえば、前に小樽には「かすり」という、それはそれは美味しいうどん屋さんがあって、家族で冬に訪れたときは〆に必ず入っていたのだが、閉店してしまったそうです。残念ー。
母に聞いたら「覚えてない」と言われてがーん。

このたたずまいの愛らしさにきゅんとします。

マッチもありました。お店が大正創業なので、「古いマッチが好きで集めてて…」と言っても失礼じゃないかも、と思いそう伝えると、「そんな古いものじゃなくて…すみません」と言われてしまった。いろいろ難しいです! お店の方、すごく良い方でしたー。

「光」「美園」は同じアーケード商店街にありますが、この辺りは昔の雰囲気そのまんまのお店がたくさんで、私はこんなムードが大好きで、嬉しくていろいろさまよってしまう。喫茶店もたっくさんありました! 私一人だったら全部入りたかったけど、そうも行かない…と言いつつ『あまとう』には入りました。小樽でちょっと有名なスイーツのお店です。

店内のレトロな内装も素敵だったのだけど、混雑していたためなにも撮っていません。珍しくコーラフロートを注文。ストローでかき回すと、あっというまにぶくぶくと泡立ちコップからコーラが次々とこぼれてきて慌てました。

マッチを始め、あまとうグッズいろいろ。


かわいいアーケード商店街、中でもとびきりかわいかった靴屋さんの看板。


どんどん日が暮れる。ぽっかり月が出ていて(見えにくいけど一応映ってます…)、洋館の雰囲気とぴったりできれいだった。


お寿司を食べたり、母の洋服を吟味したりして、運河へ。


それから、「光」同様思い出の『コロンビア』へ! ああ、この船の模型! そしてたなびくシャンデリア。波のような形になっててきれいだった。懐かしい…。全部は映せていないけれど、こんなにゴージャスな喫茶店だったっけと驚く。当時の喫茶店の内装ってほんとうに凝ってますよね。今の技術じゃできないものもたくさんあるって聞きました。

お店の中心にピアノが。素敵。マッチも色合わせが好きです。マッチはバイトの店員さんがポケットからスッと出してくれたのがいいなあって思った。

レジ脇にスタンプがあったので押してみました…。「地元の大学生が作ってくれたんです」とのことで、樽商かしら。他にはどこがスタンプラリーのスポットなのかな。


札幌に戻り、すすきの方面に行ってラーメンを食べたり。。。札幌、道路広いなあ! そして、すすきのの「夜感」すごかった〜。
ニッカの看板の道路を挟んだ向かいにある「サンローゼ」に行く。
『サンローゼ』(すすきの)

むちゃくちゃ広く、看板も派手で、昔からあって有名な喫茶店です。そこかしこに薔薇のモチーフがあって、それがかわいいです。

『バーやまざき』(すすきの)
そしてそして、ここからは母の誕生日を祝うことに。12月の誕生日までこのときまだ2週間くらい前だったのだけど、「今回はプレゼントいらないよ〜。」ということで、それではバーでお酒をご馳走することにしたのでした。
私がずっと行ってみたかった「やまざき」に行く事にしました。

92歳の現役バーテンダーがいらっしゃり、半世紀もずっと活躍していられるということで知られています。入店に緊張しつつ、いざ! しかし、山崎さんは冬休みとの事でいらっしゃいませんでした。

コースターやマッチなど。ちょっとびっくりなのが、この横顔、山崎さんが手がけられる切り絵がモチーフなんだそうです。勤務中もときどきお客様の顔を切り絵にして、その場で差し上げるというサービスを行っているのだとか。すごい。。。
しかし、そんなふうに有名なエピソードがたくさんのお店なので、最近は観光客の方が多いそうで(後で食べログで知りました)。。。まさに私たちもそうでした。

マッチのデザインが素敵なので、アップでもう一度。先日伊東で手にした串田孫一さんにも似た、手書きのタッチがすばらしくって、また、読ませるようで読ませない、この文章もいいですよね。

そんなふうに、札幌・小樽旅は夜遅くまでたっぷりと楽しんで終了したのでした。