表参道の「ビリケンギャラリー」にて、洞野志保さん(どんちゃん)の個展が行われると聞いたのは、ご本人からのメールで、7月上旬のことです。
「今年の東京は冷夏なんだよ」などとメールしていたのもつかの間、あれからこんなに暑さが爆発するとは!
梅雨も明けた7月半ばに、ビリケンギャラリーまで足を運びました。
洞野さんの新しい絵本「きつねどん(ハンガリーの民話の再話)」が発売され、その原画が展示されていたのでした。
ますます厚みを帯びた洞野さんの絵の素晴らしさに圧倒!!!!!
これは、私が絵本を見開きにして撮影したものなのですが…。
それでもこの迫力と、細かな描き込み、何よりも、いきいきとした動物たちの表情は伝わっているはず。
私は、例えば長谷川町子さんの「サザエさん」の表紙のイラスト、または妹尾河童さんのようなタッチで書き込む方の、絵のすみずみを見るのが大好き。必ずくすっとする場面、そして心くすぐるシーンがあるからです。
洞野さんの2枚目の絵の、子どもたちの動きもかわいい!なんだかリズミカルでもあって…。
お話は、えええ!って思う展開もありで、なかなかインパクトを残すお話。昔話ならではの、シュールさも感じました。そして、出てくる動物の家族の温かなこと。子どもたちのかわいいこと!
洞野さんの今まで描いた絵本のキャラクターで、いちばん好きなのは「ターニャちゃん」。黒目がちの瞳はくりっとかわいくて、少しだけ実物の洞野さんの目に似ています!
もしかしたらどんちゃんのお子さんにも似ているのかな(元気いっぱいの男の子だそうなので、あくまでも目、ですが)。
この季節に改めて見ると、このシャーベットのようなグリーンやピンクの色合いもとても涼やか!この間食べたパフェのよう…。カルピスっぽいお洋服。夏ならではの懐かしさも含んだきゅんとくる色合いに、改めて心奪われました!
ターニャちゃんかわいいなあ…
これで私の手元に、洞野さんの絵本は3冊。
「マルキのヤンコ(スロバキアの昔話の再話)」「ターニャちゃんのスカート(こちらは洞野さんのオリジナルストーリー)」は、それぞれ福音館書店の「こどものとも」シリーズとして発売。
新作「きつねどん」は、ビリケン出版で7月下旬に発売されました。
スロバキアで旦那さん、お子さんと暮らしながら、絵を描いている洞野さん。
私が札幌で知り合ったのはもう17〜8年も前のことなのですが、その後ほぼ同時期に大学進学のため東京に来て、時々会って遊んでいました。
その後、絵を学びに行ったスロバキアにて、こんなふうにずーっとおひとりで活動されているということにまず「とんでもなく凄いな」と思ってしまうし、これだけのエネルギーが注がれた絵を描き続けているということにもただただ圧倒されてしまうのです。
(ビリケンギャラリーの方ともそんな話をさせていただきました)
自分の好きなことをシンプルに見つめた人生、なんて簡単に言ってしまうとそれまでだけど、洞野さんの絵には、そんな思いを貫くために、深く、そして慎重に考えたり見つめ続けてきた信念と、さらにもっと、ずーーっと内側に内包されている強くて静かな世界、を感じます。
それは決して何かで揺らぐものではなく、北極星のような、ずーっとそこにある、きらりとしたものに感じ、素敵です。それらを表現し、続けていくことは、とても大変なことだろうと私の少なからずの想像力でも、わかります。
かっこいいのは、それが年々こじんまりとしたものになるのではなく、海外に行ったことでますます輝きを放っているところです。
これからもそんな洞野さんの世界を見れることが嬉しいなあと、改めて思うのでした。
くれぐれも身体には気をつけて、これからも元気でね。
私ももっと自分の北極星の部分を知って、丁寧に育てていきたいな…
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marble marble テラコリダイアリー
- イラストレーターです。日々気になったことをテーマに問わずブログにしています。マーブル模様のような、マーブルチョコのようなカラフルで雑多なブログを想定し、「marble marble テラコリダイアリー」としました。純喫茶、マッチ、散歩、昭和の建物、昭和歌謡、片付け、スケジュール帳などが好きです。コメント欄がありません。ご感想などはコチラまで→marble●tellacoli.com(●→@)
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