マーブルマーブル

イラストレーターです。日々気になったことをテーマに問わずブログにしています。マーブルチョコのようなカラフルで雑多なブログを想定し、「マーブルマーブル」としました。純喫茶、マッチ、散歩、昭和の建物、昭和歌謡、片付け、スケジュール帳などが好きです。コメント欄がありません。ご感想などはコチラまで→marble●tellacoli.com(●→@)

図書館で借りた本【BUTTER】

図書館で予約していた本が私の番になったので、一気に読みました。ページ数が多く、長い話でした。

BUTTER

BUTTER

 

この話は実際にあった事件をもとに書かれていました。すっかり忘れていましたが、木嶋佳苗という死刑囚。この方がモデルでした。直接本人への取材があったわけではないようで、内容は作者さんなりの見解によってできた物語でした。

共通しているのは、男を次から次へと結婚詐欺により死に追いやり、お金を手にいれているということと、木嶋もここに出てくる梶井という女性も、決して美人というわけではなく、とても太っているということでした。

 

この方のルックスで、なぜ多くの男を死に追いやるまでその気にさせて翻弄したのだ!?と、当時は世間を騒がせていたことを思い出しました。

私自身は当時はそんな人のことはどうでもよかったけど、年を取って今この本を読んだら、えー、なぜモテる!?と気になってしまった。

外見的にほとんど努力のないような方で、若くもない方が、なぜこれほどまでにモテるのだ。それは当時、おそらく世の中でしっかり生きてダイエットもして、幸せになろうと努力している女性たちの価値観を、かなり揺さぶったのだろうと思います。

そもそも殺人者であって(本人は否定しているが)、モテだの言うより、まず人としてありえないのは前提の話だ。

【BUTTER】は、その「なぜ!?」を作者さんの着眼点でみっちりと解き明かしていく話だと私は解釈しました。

 

主人公の週刊誌の記者の女性は、梶井への真相を問い詰めているうちにどんどん彼女にのめり込みます。梶井の考え方が刷り込まれていくうちに自身も太っていき、自身の過去を見つめるきっかけにもなって、結果、主人公は成長しながらボロボロになって…そして再生して…と、ざっくりいうとそんなストーリーです。

主人公の親友の女性も梶井に突っ込んでいって自尊心をズタボロにされたり、女性同士の振り回し振り回されもあり、内容は最後までハードで「女というもの」についてもずっしりと嫌〜な気持ちで考えさせられる本でした。

 

ただし、すごくモヤモヤしてムカつくことに、梶井(つまり木嶋)の「女としての魅力」というのは確かにあるのだと、読んでいて感じました。私は自分でその自覚が、なんか嫌でした。だからこそ、後味の悪い話です。殺人者なのだから。

ただし、本当に殺人だったのか、そうではないのかは、物語の中でも実際の事件でも、よくわからない部分もあるようでした。

 

私は柚木麻子さんの本を読んだのは4冊目で、「ランチのアッコちゃん」「終点のあの子」「あまからカルテット」、特に「あまからカルテット」は好きな話でした。

妙齢の仲良し女性4人のオムニバスで、4人は仲はいいのだけど、けっこういいたいことをズバズバ言っていたり、マウンティングもあったりして、現代をガリガリと邁進して生きていっているような、女たちのパワーがありました。

男性とのトラブルなどももちろんあり、私は読んでて「女こわい…」とも思ったのだけど、なんか「それが普通」みたいなあっけらかんとした女性同士の関係性も確かにあり、ちょっと新鮮でした。可愛げにも感じました。

 

この独特の女同士の遠慮のなさはなんだろう?と思っていたら、作者さんが女子校出身ということがわかり、ああ、そこで培ったさばけた間柄なのかもなと思いました。

男性とのあれこれより、女性同士友情を描くシーンの方が印象に残っています。

 

【BUTTER】でも、女同士がそれぞれの内面を切り込み合っています。「あまからカルテット」の方ではそれが現代の女性らしい、どこにでもいそうな人たちの話と割り切れるのだけど、「BUTTER」は何せ殺人者が登場人物にいるのでそうはいかない。過去のトラウマなどにも切り込んでてエグく、物語も重くスケールがありすぎて、私は柚木さんの良さみたいなものは、「あまから」の方が出てるんじゃないかなーと思いました。

 

そして、柚木さんの本で毎回出てくるめっちゃおいしそうな料理たち。描写がうまくて毎回本の読み終わりにそれが食べたくて仕方なくなります。

それが今回の【BUTTER】でもふんだんに出てくるのだけど、料理がいっぱい出すぎて、さらにテーマがテーマなので、胸やけを起こしそうになってしまった。ひとつひとつすっごい美味しそうなんだけども。最後に主人公が奮闘して作る料理。描写すごかった…。

 

そんな、全体的に「ずっしりときた」という話だったのだけど、柚木さんの本、やはり、これからもしばらく追いかけてみようかなと思います。

現代を生きる女たちに様々な角度から触れることができそうで、これからも楽しみです。

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