長くて重たい読書感想文が続いちゃったような気がするので、今回は軽めに書きます!
カルテット、というように、4人組の女性たちのオムニバス式ドラマです。
私は、のっけから寂しいことを書きますが、もしかしたらここに出てくるような女の友情って育んでいない人生かもしれません。
とにかく皆さん、ズケズケっと相手のことを指摘するし、お互いの心の中に入っていきます。ズルさも要領の良いところも全部お見通しよって感じで、それらを共有して、分かり合えている感じです。
カロリーを消費する友情です。あっちが絶交したと思ったら、こっちでは何やら秘密の話をしていたり。
男が絡むとそりゃもう大変。
そんなことが繰り返されます。
私はほんとに、こんな女性間のどろっとした感じが苦手で苦手で、それをうまく避けてきたような人生です。
だけどこの4人は全然どろどろしていません。どろどろも乗り越えていけば、女の正直で熱い、竹で割ったようにさっぱりとした友情が生まれるのですね…。そっかー。そうだったのか…。
どうやってこういう関係を作ったんだろう、と経験値のない私にはさっぱりでしたが、著者の柚木麻子さんが、女子校出身ということで少し合点がいきました。
女子校時代を過ごした経験のある女性のその後をのぞく感覚で読めるよと言われれば、なんだか“怖いけど楽しげ”じゃないでしょうか。
私は柚木麻子さんの本で、この『あまからカルテット』が一番好きです。
『終点のあの子』『3時のアッコちゃん』『BUTTER』も読みましたが、『あまからカルテット』がいちばん“らしさ”があるような気がしています。
どの本も印象的なのは、女の友情だったり、女同士のなんともいえない関係だったり。
それをカラッとした気持ちで楽しめる『あまからカルテット』を、柚木麻子さん作品の中でいちばんおすすめしたいなーと思います。
あとは、『あまからカルテット』で特に印象的なのは、食べ物の美味しそうな描写!
もともと食べ物が4人の物語を進めるキーポイントともなっています。
いなり寿司とハイボールは、読了後に特に食べたくて、飲みたくて、たまらなくなりました。(実際買いに行きました…)
『あまからカルテット』がこれからの方。
ぜひぜひ「読んで」「食べて」「飲んで」ください。
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marble marble マーブルマーブル
- イラストレーターです。日々気になったことをテーマに問わずブログにしています。マーブルチョコのようなカラフルで雑多なブログを想定し、「marble marble マーブルマーブル」としました。純喫茶、マッチ、散歩、昭和の建物、昭和歌謡、片付け、スケジュール帳などが好きです。コメント欄がありません。ご感想などはこちらまで→marble●tellacoli.com(●→@)
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