純喫茶コレクションの難波さんからのお誘いを受け(光栄である……)、いっしょに上野近辺の喫茶巡りをすることに。
名店である「ウエスタン北山珈琲店で雫セットを堪能した後、蔵前の「らい」へ。
ここから近いけれど、電車だと乗り換えが多くなりそうな場所であること、またあいにくの大雨であることなどから、2人でタクシーに乗り込んでお店へ向かう。入店した時間は14時少し前で、15時閉店のはずなので、ジャスト1時間、ゆっくりできそう。
【ナポリ舌】をオーダーし、しばし店内の雰囲気にため息をつきつつ、過ごしました。
レンガ床の朽ちた部分やムードのある壁、スピーカー、雑貨などのディスプレイ、黒電話。それぞれのセンスが最高で、またマスターのファッションもお洒落でした。
雑誌のレイアウトには【Napoli-tongue(ナポリ舌!)】の文字が。ファッション雑誌だろうか?「東京人」で連載されていた、沼田元氣さんのページの切り抜きも。台東区の純喫茶を集めたページ。これ、持ってる!
ナポリ舌は、牛タンの乗っためずらしいもの。おいしかった。
「らい」のオリジナル珈琲カップ。
2階へ上がらせていただくと、また息が止まってしまいそうな空間が出迎えてくれる。
とても個性のある壁のモチーフ。何をイメージしているのか、実は分からない。近づいてみると、ざらっとしたような、おもしろい素材でできていることがわかる。
2階からみた1階がまた美しく、しばらくぼんやり眺めてしまった。
再び1階に戻り、たくさん満喫させていただいたことでマスターにご挨拶。。純喫茶が好きな方には周知かもしれないけれど、マスターは声を出すことができない方であり、私たちが一方的に感動を伝える形になってしまった。けれど、優しく、時々ふっとクールな感じもありつつ頷いて聞いてくださり、最後に素敵なライターをくださった。
(わたしは前にも訪れているので、二つ目となり、恐縮。。純喫茶がだいすきなあの人へのプレゼントにしよう。)
大雨で寒い日だったけれど、気持ちがすっかり高揚し、ぽかぽかとした気持ちのままその後も過ごしたのでした。
店先の、いろいろな「らい」の文字。
後からわかったことだけど、15時までの営業だと思っていた「らい」は、実は最近は14時までのようだった。ぎりぎりで入店した私たちに、マスターは何も伝えずナポリ舌を作ってくださったり、2階の照明も点けてくださったりしたのだ。
声を出すことができないからだったかも知れない。けれど決して態度には出さず、穏やかで居てくださった。後になり、それがしみじみと、嬉しく思ったのだった。。