『ローレンス』
様々な方から「よかった」「何度も通った」と伺っており、自分の中でもすっかり「金沢の純喫茶=ローレンス」というイメージがあっての訪問でした。
私たちが訪れたとき、同じタイミングで2〜3組のお客さんが入っていきましたが、ママはどの席でも、なんだかとても印象的なテンポと口調で注文を伺っていて、その独特のムードがお店中を包み、なんとも言えない、ここにしかない個性を放っていました。
主人は珈琲を、私はアイスココアを注文しましたが、夫は何度も何度も、念入りに、「そんなに美味しくないわよ。あまりお薦めじゃないけど大丈夫?」と聞かれていました。ママご本人がそれほど珈琲を好きじゃないので、こだわりのある方にはとても薦められない味なのだそうです。
私も、アイスココアは氷でどんどん薄まるからあまりお薦めじゃないと言われ、でもホットココアを飲みたい気分でもなかったので、「ではぬるいココアを…」と言ったら「ぬるいココアね。待ってて」と仰ってくれました。
そんなこんなな会話があちこちから聞こえました。
観光組は他にも居たみたいで、ママは手を動かしながら金沢の街の印象を聞いていたり、私たちにも「待つ間読んでて」とガイドブックを渡してくれたりと、すごく優しい方でした。途中でお菓子もニ度ほどいただいたっけ。
ガイドブックのほかに、「47都道府県の純喫茶」も貸して下さり、その中のローレンスのページを読み込んだりしていました。このお店のイメージを守るため、内装はドライフラワーをいっぱいにしていることや、先代への感謝、ママの人生などが綴られていました。
それからほどなくして「いい感じでできたわよ!」とココアを差し出してくれました。
400mlくらいのボリュームでちょうどよくぬるいココアがやってきました。夫の珈琲も2杯分くらいあったような。「あっ、珈琲美味しいです!」と夫はママに伝えていました。「えーそうお?」みたいな返事が。
私たちは割と早めに出なければならず、二人でぐーっと飲み干してお店を出ることに。ママが気にされていて。「急いでいたのね。待たせちゃってごめんなさいね」と仰るのですが、ゆっくり過ごすために入った喫茶店でバタバタしちゃったのは、私たちの方なんです。なんというか、ナンセンスな過ごし方をしちゃったのは私たちの方なので、こんなふうに最後まであれこれ気を配って下さるママに有り難いな、申し訳ないな、という気持ちで、でもお礼を伝え出てきました。
短い時間でしたが印象的なひとときで、自分なりに、ローレンスの魅力というものに触れられた気がします。
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marble marble マーブルマーブル
- イラストレーターです。日々気になったことをテーマに問わずブログにしています。マーブルチョコのようなカラフルで雑多なブログを想定し、「marble marble マーブルマーブル」としました。純喫茶、マッチ、散歩、昭和の建物、昭和歌謡、片付け、スケジュール帳などが好きです。コメント欄がありません。ご感想などはコチラまで→marble●tellacoli.com(●→@)
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