あどさんと近所の喫茶散策をすることに。
日暮里の繊維街からさらに足を伸ばし、三河島方面へと。夕暮れどきとなり、街の喫茶店もそろそろ閉店の時間帯。お目当てのお店は二つ。ひとつでも開いていたら…と思い向かう。すると、両方開いていることが判明!
まずは『ふじ』へ。
ここは以前、レモン糖さんのブログで拝見していました。素敵なお店が近くにあるんだ!いつか私も、と思っていたけど、やっと念願叶うことになりました。
なんといっても特徴的なのは、ガラス窓のウインドウシールが熱帯魚柄であること。海のブルーがスケスケとなっており、そこから自然光が入りキラキラとしていて、それはそれはきれいなのだ!辰年産まれなので、タツノオトシゴもとても嬉しい。
猫のまなざし、被っている赤い帽子、外国製のような小瓶、辞書?など、昭和の女の子のセンスよいインテリア空間のよう。
飲み物をオーダー。珈琲もコーラも200円台なことにまず驚く。けれど!ここではなんと無料でトーストとゆで卵を付けてくれる!多分、今まで訪れた喫茶店の中で、いちばん安いと思う…。
さて、喫茶ふじを出て、私たちはもう一軒へも。
『梨香』へ。
カウンター席上部の、シーリングのガラスのライト。それから個性ある鏡。格子がきれいなキャビネット。
緑が「ぴっ」と入っていて、空間を引き締める。
当時の内装業の方とあれこれやり取りしこのようになったそうだけど、東洋的とも西洋的とも取れそうな、なんとも言えない個性があってたまらない。
ここのママさんは素敵な方だった。内側から放つエネルギーのようなものがあり、明るくてお洒落だった。何よりお店の雰囲気とママがピッタリだったのだ。他では見たことのない個性ある内装で、色もデザインもとびきりセンスがよく、女性らしい空間だった。
「自分の好きなモノに囲まれているから、このお店で何十年と飽きずに続けていられるのよ」と仰っていただいたのが、とても印象的だった。
このとき時間はゆっくりと過ぎ、ママは私たちにお店のことをあれこれ話してくださった。ママのチャーミングさが伝わるエピソードも聞けたりして、楽しかった。
喫茶店のお店の方は、お客さんの悩みや愚痴などを聞くのも大きなお仕事のひとつなのだと思う。「あまり近い存在の人には話しにくい、喫茶店のママくらいだったらちょうど話しやすい、そんな悩みをみんな色々持っているものなのよ」と話してくれたのが印象的だった。
ママは「こんなふうにまた来てくれる方が居るから、私ももうちょっと頑張らなくっちゃね」と仰ってくれた。おそらく私の祖母くらいの年齢のママ。
実は私も悩み相談をさせていただいた。普段、人にはなかなか口外していないことを、ママになら話せたのです(あどさんも聞いてくれました)。ママは自分の過去の経験を話してくださり、励ましてくれた。退店時には、しっかりと握手し、手を振り合って別れました。
「喫茶店のママくらいだったらちょうど話しやすい」
まさに私も、それを体現してきたのでした。
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
marble marble マーブルマーブル
- イラストレーターです。日々気になったことをテーマに問わずブログにしています。マーブルチョコのようなカラフルで雑多なブログを想定し、「marble marble マーブルマーブル」としました。純喫茶、マッチ、散歩、昭和の建物、昭和歌謡、片付け、スケジュール帳などが好きです。コメント欄がありません。ご感想などはコチラまで→marble●tellacoli.com(●→@)
- イラストサイト:http://tellacoli.com/
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::