てんとてん

喫茶好きのイラストレーターの日常ブログ。てんからてんへ、ぼんやりとした日々。

北海道の喫茶店『挽香』と『ドール』

稚内の挽香、美唄のドールが閉店してしまったとともに、マスター、ママそれぞれ既に他界されていることも知りました。

茶店に行くと、お店の雰囲気や味を楽しむことのほかに、マスターやママのお人柄に惹かれ、そのお店がより大好きになることがあり、二軒はそんなお店でした。

 

【挽香】は2014年に訪れました。

tellacoli.hatenablog.com挽香のマスターは、常連客にも私のような観光客にも同じような目線で話しかけてくださる優しい方でした。

最初は放っておいてくれましたが、私がマスターと話したそうにしていたので(笑、少しずつ声をかけてくださるうちに、いろんな話をすることができました。

マスターが稚内で暮らすようになるまでの話とか。漁師のお客さんが多いことから魚の味をたくさん知れた話とか。

 

朗らかでさりげなくて、私はどうしたらこんな人になれるかなとか、少し憧れのような気持ちで話を聞き、最後にはツーショットで写真も撮ってもらいました。

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マスターの笑顔を思い出し描き。

 

【ドール】は2012年に訪れました。

tellacoli.hatenablog.com美唄にこんな素晴らしいお店があったんだ、という感激とともに、ほんの短いひとときを過ごしました。ママはそのときすでにご高齢で、90歳近かったと思います。

所作がクールでさりげなく、慣れた手つきで淹れてくださった珈琲がとてもおいしくて、それを伝えると、かつてそのことが新聞に載った際の記事を見せてくれました。

美唄の歴史ある、貴重な喫茶店なのだなということがわかりました。

常連さんが私に、「ずーっと一人でやっているんだよ、凄いよねえ」と、ママのことを誇らしげに語ってくれたことも印象に残っています。

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実物はもっとお綺麗だったママ

 

茶店というのは、とてもさりげない毎日がさりげなく繰り返されている場所です。マスターやママがそこにいる限り、変わらない時間、ひとときというのがあるのだと思います。

私はそれを遠く東京から、思いを馳せるのが好きです。

“私も今日の業務が終わるけど、今頃マスターもお店じまいの準備をしているのかな”などと考え、なんとなく、自分の生活がどこかの喫茶店と地続きになっていることに喜びを感じるのが好きなのです。

 

東京から北海道の喫茶店に行くには遠すぎて、2度3度と足を運べるお店は少ないため、よりそんな妄想が好きなんだと思います。

挽香もドールもよく思い出していたので、今回そんな事実を知り寂しいです。

大好きな時間をありがとうございました。

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marble marble マーブルマーブル

イラストレーターです。日々気になったことをテーマに問わずブログにしています。マーブルチョコのようなカラフルで雑多なブログを想定し、「marble marble マーブルマーブル」としました。純喫茶、マッチ、散歩、昭和の建物、昭和歌謡、片付け、スケジュール帳などが好きです。コメント欄がありません。ご感想などはこちらまで→marble●tellacoli.com(●→@)
イラストサイト:http://tellacoli.com/

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