マーブルマーブル

イラストレーターです。日々気になったことをテーマに問わずブログにしています。マーブルチョコのようなカラフルで雑多なブログを想定し、「マーブルマーブル」としました。純喫茶、マッチ、散歩、昭和の建物、昭和歌謡、片付け、スケジュール帳などが好きです。コメント欄がありません。ご感想などはコチラまで→marble●tellacoli.com(●→@)

夏の読書感想文『流星ワゴン』

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重松清さんの「流星ワゴン」を読みました。

流星ワゴン (講談社文庫)

流星ワゴン (講談社文庫)

 

重松清さんの小説は、前に様々な作家が書いた短編集の本を読んだきりでした。

その時の感想を率直にいうと、「なんだか読んでて嫌だなあ…」

でした。

 

なぜそう思ったんだったか、あれはたまたまだったのか確かめたくて、家の本棚の奥で見つけた夫所有の『流星ワゴン』を読んでみることにしました。

(我が夫はかつて通学に往復4時間ほど!!かかっていたそうで、移動中に小説を読みまくっていたのだとか。なので当時買いあさっていた文庫本がぎっしり眠っているのです)

 

読み終えましたが、「あ、やっぱり嫌だな」でした。

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このお話が好きな方は、この先読まないほうが良いです。不快にさせてしまうかもしれません。ほんとに、無駄な時間になっちゃうと思います。ぜひスルーしてください…。

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「嫌だ」と思った理由。

相性といえばそうですが、私はどうしてもどうしても、“中年の男性が思い描くのであろう理想的なおとぎ話のような世界観”から、逃げ出したくてたまらなくなったのです。

 

ストーリーですが、

死を考えていた主人公は、かつて交通事故死した父子が乗る不思議なワゴン“オデッセイ”に突如拾われ、生と死の間を旅し、自身の人生をなぞっていく。

その中で若い頃の実父と出会う。実父もまた、死を間近に控えていて、この不思議な世界に入り込んでいるのだった。

仲違いをしていた父だったが、一緒に時間を過ごす中で二人は友情のような関係を築いていく。

崩壊してしまった家族、妻と子との関係も見直していく。

オデッセイに乗っていた親子はどうなるのか…?そして実父は…?ワゴンの旅は終わるのか…?最後に主人公は死を迎えるのか…?

 

ざっくりですがこのような感じでした。

なんだかワクワクするファンタジーだし、ワゴン車がオデッセイというのもなんかいいし、死の淵にいた人が人生をどう振り返るのかというのも興味がありました。

 

 

でも、嫌でした、とても。

いや、よい部分もいっぱいあります(えらそうだな!)。

特に、実父とのエピソードは良いと思います(えらそうだな!)。

実父“チュウさん”はアクが強い。思ったことを口に出すけど時々それはタチが悪い。本人に悪気がないことがかえってアダとなる。息子である主人公と溝ができていった理由も読んでいてよくわかる。けれどそんな父の良い部分、弱い部分、人間性に触れ、男同士の友情が深められていく…。

父と息子の間では、そういったこともあるんだろうなと思いました。逆に言えばそんなことがないと埋まらない溝も浮き彫りになっており、実際にこんなふうに溝の入った親子は世の中にいっぱいいるんだろうと思いました。それをファンタジーという要素で、うまいこと優しい世界にしているのが良いと思いました。

溝のある親子でも、なんとなくこんな父子像をどこかで夢見てしまう人もいるのかもな。とも思いました。

 

だけど…

それ以外の登場人物はリアリティがなかったかな。

妻も子も、ワゴンに乗っていた父子、特に息子の「健太くん」も、なんだか物語のために都合がよくでき過ぎたキャラクターな気がする。

妻は、彼女は“美しい”のかな。あんなことこんなこともあったけど、“残酷だけど素敵な妻”で済ませて良いことなのかな。

性描写もやたら多く、あれは、男性が都合よく描いた妻像なのではないだろうか。

また、一度親の教育方針を恨んだ息子は、あんなふうにお父さんに良い子全開で心を開くかな。そんな良い子なのだったら、学校ではずっといじめられちゃう子にしないで欲しかった。

いちばんかわいそうだったのは健太くんで、離れたお母さんとは心を通わせて欲しかった。

 

悲しい、せつないエピソードが物語にはいっぱい詰まっており、読む方によっては感動する話だと思う。

けれど私は、なんだかどうしても妻も子も健太くんも、“中年の男性が思い描くのであろう理想的なおとぎ話のような世界観”を肉付けるために、必要以上に不幸なエピソードを背負い込んでいるかわいそうな登場人物たちと思ってしまいました。

全員に膜が張られていて、そこから出られなくなっている感覚がありました。

 

私は読みながら、そんな感覚が息苦しくて、そのような世界から「自分だけは逃げ出したい!!」と思いながらの読書となりました…。

 

「悲しいけど美しい物語」と片付けてしまうのではなく、一人一人が自分の力で具体的に解決に導く物語であって欲しかった。

長い物語だったけど、最後はなんだかフワッと終わってしまったような気もしています。

 

 

重松清さん、人気の作家さん。好きな方はたくさんいますよね。好きだと思う方の方が多いかもしれません。「とんび」とかもドラマ化されてて人気でしたよね。

なので不快に思った方がいたらすみません…と思う。

ほんとうに、相性ってあるんだろうと思いました。

 

私には、中年男性のロマンというのが苦手なのかもしれません。私は私だ!そこに巻き込まないで!染まりたくない!と思ってしまう。

そんなこと書いて、中年男性たちも「こっちこそ願い下げだ!!!」という心境だと思いますが。

私、年上男性にモテないタイプですねー。

 

 

様々な本との出会いの中で、そんな体験もあるんだなという感想です。今はこんなふうに書いているけど、気が変わる可能性だってあります。

いろんな体験をしていこうと思います。

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