てんとてん

喫茶好きのイラストレーターの日常ブログ。てんからてんへ、いろんな日々。このたびブログタイトルを「マーブルマーブル」より「てんとてん」に変更しました。

「わたしのコレクション」喫茶店のマッチ

今週のお題「わたしのコレクション」

久しぶりにはてなブログのお題に沿った記事を…

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茶店のマッチです。これは北海道の喫茶店のマッチ。

コツコツと集め、何100個と所有しています。頂きものも含めて全国津々浦々。

手のひらに乗る小さなサイズの中で、お店の個性がぎゅっと詰まっている愛らしさ。昔ならではの美しいデザイン、可愛いロゴやイラスト。

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他にもいろいろ。北海道の喫茶店蕎麦屋、中華屋、バーなどのマッチ。

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コレクション気質は祖父譲り。

上の写真は全部、祖父のコレクション。亡くなった後にほとんど捨ててしまっていたようだけど、私がマッチ集めをしていると聞いた家族が慌てて一部をとっておいてくれた。

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今見ても素敵なデザインのものがいっぱいです。禁煙が当たり前となった今、存在自体が貴重なJALマッチ(真ん中)は歴史を感じます…

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今や喫茶店はネットで探す時代ですね。食べログgoogle、お店が発信するSNS

でも当時はマッチが名刺がわり。ライターもなく喫煙者も多かった時代、マッチの貸し借りなんていうのも日常茶飯事だったでしょうし、携帯のない時代は急用があればここに書いてある喫茶店に電話して、常連さんを呼んでもらうこともあったはず。

個々の日常のコミュニケーションの中で、自然に存在するものだったんだと思います。

さらには祖父のように、なんとなくコレクションしていた人も多かったと思います。

モンテローザ(北海道旭川市・閉業)の「曜日マッチ」も、そんなシンボルのように思います。これ、全曜日集めてみたくなっちゃいますよね。

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その時代を生きてこなかった世代にも「昭和の文化」というのは刺さるものになっており、純喫茶や昭和歌謡、昭和のアイドルに夢中な10代の子たちもいるんだとか。

そんなブームもあって、あえてマッチを残してくれているお店もあります。

ギャラン(東京・上野)で二度マッチをもらったことがありますが、二つはサイズが違いました。形を変えながら今も生産していることがわかります。

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マッチはすべて缶に所有。紙でできた箱よりも安全?と信じて。

収納する缶のデザインも、ちょっと昭和を意識。旭豆の青缶、千秋庵のせんべい缶。どちらもレトロで可愛い。

エリア別に缶を分けたりして、ある程度カテゴリ分けしていくのが私のルールです。取り出した時に思いを馳せやすいんです。

そう、マッチはもらった瞬間だけじゃなくて、時々忘れた頃に取り出して、デザインを愛でたりお店に思いを馳せる時間も楽しいんです。

 

同じようなマッチコレクターも多いはず。あくまでもコレクターであって、このマッチを使ったりだとか、喫煙者は少数だと思います。

 

もう二度と存在しない喫茶店の記憶や、当時の時代の歴史を感じるための、とても小さなこの可愛い箱を、これからも大事にコレクションしていきたいなー。

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tellacoli.hatenablog.comマッチのほか、ペーパーナプキンやコースター、箸袋なども集めています。


読んでいただきありがとうございました。

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…ここからは、お時間のある方だけお付き合いください。

そんな、「コレクション」に関するコラム的な文章です。モノの所有とコレクションについて。

 

モノを整理整頓したり、思い切って破棄したりは、少し前まで得意な方でした。

断捨離やミニマリストのブーム(?)にそこそこ共感。身軽が信条、身を軽くした分ストレスのない生活が送れて新しく家に招くものにも愛着がわき、ひとつひとつのモノを大事にできるはず…

45歳、人生もとっくに折り返し。酸いも甘いもご存知よ。人生に必要なもの、不必要なものの判断もお手の物です!

いよっ!いさぎよさに拍手。

 

よし、どんどん手放そう。着ない服、もう好きじゃない雑貨。よくわからない家電のコードや説明書を収納するスペースなんて無駄無駄!聴かないCD、読まなくなった本。趣味が変わったレターセット、旅行先でゲットしたパンフレット、あと少し残ってるけどホコリの付いたマスキングテープ。写りの悪い過去の写真。

捨てるとスッキリ。掃除も楽だし、モノの場所もわかりやすい。突然私が死んでも遺された人は後片付けが楽だろう。

 

…といい事づくめのはずでしたが、一方で自分の人生を支えているものってなんでしょう。無駄だと思っていたものに意味があったり、数年後に愛着が沸いたりするのではないか?とも思い始めてしまいました。

服だって、今着なくても数年後にブームが来たり、サイクルがあるのも薄々知っている。酸いも甘いもご存知な45歳の私は知っている。

「ときめきますか」と心に問いながら処分を決定するけれど、今の自分の価値観だけでどんどん手放していいんだろうか。おばーちゃんになった私は、あの無駄だと思ったものにときめくかも知れない。

 

「45歳の私はよくても、老婆の私はなんていうかな」(Yazawa風)

 

あれ、なんかよくわかんなくなってきた…

ぶれぶれになった私は、前より捨てることに戸惑いを覚え判断が鈍くなってしまいました。

とは言え家が広いわけでもないですし、我が家には「いつでもモノはたくさんとっておくのさ」と、これまた揺るぎない価値観?の元、40数年人生を歩んできた夫の所有物もめちゃくちゃ多いのです。

 

というわけで「服ならこのスペース内」「本はこの本棚内」と、限られたスペースの中で、迷うものは取っておくことにしました。

だけどブログタイトルに挙げた「喫茶店のマッチコレクション」は、ちょっと特別。「贔屓のモノ」なのです。

ということで、少々大きめなスペースに所有するルールにしました。

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これは、私のいろんなコレクションボックス。これらの箱内と決めているんです。

右下がマッチ。マッチが入ったいろんなサイズの缶が、パズルのように収納されています。

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あとは「思い出ボックス」「雑誌の切り抜き」「友人の手紙」などなど。コンパクトながら、人生が詰まっております!

 

 

家に無駄なものは置いておきたくないけど、一方で無駄なものにこそ自分の人生が詰まっているとも言えるよなあと、そんな矛盾な価値観。

マッチは特に、昭和の芸術品のような感覚。

こればっかりは、45歳の私も、老婆の私もおそらく変わらない気持ちかも知れません。

 

marble marble マーブルマーブル

東京在住のイラストレーターの日常の記録。
人見知りですが、せめてブログはマーブルチョコのようにカラフルになるよう「marble marble マーブルマーブル」としました。
◾️喫茶巡りが趣味。通った1000軒ほどの喫茶店を【純喫茶リスト】にエリア別にまとめてます。
◾️Instagramでは、【喫茶通いのイラストルポ】を更新中。ここにも載せています。
◾️40代半ばから似合う服について考えるようになり、【ワードローブ】の研究記事も。
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