てんとてん

喫茶好きのイラストレーターの日常ブログ。てんからてんへ、ぼんやりとした日々。

6月の目白さんぽ【純喫茶とレトロ建物探訪・伴茶夢、ダフネ、自由学園明日館】

6月のまだ涼しかった日、友人と目白へ出かけました。

東京の建築物をいろいろと見てみたいねということで、【自由学園明日館】へ。

私はたまたまアマプラで「名建築で昼食を」を見たばっかりだったので、気持ちの熱いうちに…!というのもありまして…。

建築物は今の年齢になってよりおもしろいなって思うようになりました。

まず美しさにうっとり、素材や技術を生で見てうっとり。

それから当時の歴史…海外の影響を受けたもの、できる経緯、激しい歴史の移り変わりの中、どうやってこの建物が今もなお守られているのか?などなど。

そこには必ず作った方や守ってきた方の熱い思いがあり、豊かな気持ちがあり、元気をいただきます。

そう!ほんと、建物を見て元気をもらうようになったんです。

 

最初は「伴茶夢」でお茶をしてから。

地下への階段を降りたら広がる、茶系と飴色の落ち着いた世界。

ここは目白の駅前にあるため、比較的いろんな方がいろんな目的で来るし、賑わうタイプの喫茶店だと思う。

だけど、そこまで大衆的というかスノッブな雰囲気?というのはなく、落ち着いた雰囲気なのがたまらない…

 

平日のランチタイムだったけど、ひとりで読書をする方だとか、「仕事の合間だけど少しでも静かな時間を過ごしにきたよ」といった客層だし、センターのカッコ良い柱も素敵です。

どちらもおいしかったです!

駅前喫茶が伴茶夢とは、目白ポイント(なんだそれは?)がぽぽぽぽんと上がるような感覚がありました。

いいなあ目白。うらやましいな〜

 

そのあとは自由学園明日館に向かったのだけれど、周辺の建物からすでに素敵でした。

明日館を造られた羽仁ご夫妻が、同じく創刊された雑誌の母体「婦人乃友社」さんの建物も、窓枠や全体のフォルムが美しく、すでにうっとりです。

 

そして自由学園明日館に入館です〜。入館料はお茶代も含めて800円です。

写真多めですみませんが、どれも捨てきれず全部アップしてしまいました!


うーんきれいですね〜。

建築家はフランク・ロイド・ライト

自由学園は羽仁ご夫妻が創立した女学校で、当時の時代ではかなり最先端な考え方のもと作られた自由で新しい校風で、その考え方に友人であるライト(正しくは遠藤新氏の友人として紹介された)が共感し、携わることになったとか。

 

これって「プレーリーハウス(草原様式)」っていうんですって。

軒高を低く抑え、水平線を強調し、幾何学的な建具の装飾。

 

関東大震災や太平洋戦争で被害を受けなかった幸運の建物だそうです。

…今現代も足を運ぶことができていることに、ひしひしと喜びを感じる私たち…

何だか気持ちがふっくらするっていうか。

 

どういうわけか私も友人も世の中のいろんなことに疲れている最中だったみたいで(苦笑)、かつての豊かな思想、奇跡のような建物、それが現存していること全てに、なんだか幸せになってしまったんですよね。

また疲れたらここに来るか〜、なんていう話もしていました。

カフェスペースも素敵です〜。
自由学園明日館は決して大きな建物ではないのに、ずいぶんと広く感じます。半地下、半上階など細かいスペースに分けることで複雑で奥行きがあるように考えられていて。でも天井や窓など、ゆったりとしている部分はゆったりで。

喫茶スペースでいただけるのは簡単なコーヒーとお茶菓子ですけど、幸せ気分で満たされましたよ〜

こういう場所がずっと続いていきますように〜と願いつつ立ち去りました。
わざわざ行く価値あります!ぜひ。

すごく前にビアガーデンをここで開催していた年に行ったきりでしたが、ここではさまざまなカルチャースクールなども開催されているので、そんな利用もいいかもなあ。

そのように積極活用することで「動態保存」されているそうですよ。

 

この日もどこからかオカリナの演奏が流れておりました(なぜか選曲が「夜明けのスキャット」で、オカリナとの妙も味わってまいりました…)。

ちなみにそのあとすぐに目白を去ろうと、いったん山手線の改札を通ったんですけど、ホームから「ダフネ」という喫茶店の看板を発見してしまい。

あら?あの看板かわいくない?近くで見てみたいね、入ってみたいねと友人とざわついてしまい、なんと再び改札から出てきてしまいました(一度通った改札は入場券扱いしてもらいました)!
タッチの「南風」よろしく、アットホームな街喫茶の雰囲気のダフネで、そういや小腹が空いていたとナポリタンを。

初夏の雰囲気にぴったりの良い時間を過ごし、目白の〆となりました!

 

いったん改札を通ったのに再び出てきてまで喫茶店に行ったのは、近年の純喫茶の刹那的なものを二人ともひしひしと感じているから。

あのお店良さそうだね〜、今度行って見ようなんて言っていたら、もうその一ヶ月後には閉業してしまっていることだってあるのです。

もう、何度後悔したことか。

思う時が行く時。

 

てなわけで、後悔のない時間が過ごせたような気がします!

今は暑すぎて、なかなかこんなふうにのんびり外歩きはできない感じ。

早く秋になれ。

marble marble マーブルマーブル

東京在住のイラストレーターの日常の記録。
人見知りですが、せめてブログはマーブルチョコのようにカラフルになるよう「marble marble マーブルマーブル」としました。
◾️喫茶巡りが趣味。通った1000軒ほどの喫茶店を【純喫茶リスト】にエリア別にまとめてます。
◾️Instagramでは、【喫茶通いのイラストルポ】を更新中。ここにも載せています。
◾️40代半ばから似合う服について考えるようになり、【ワードローブ】の研究記事も。
◾️ご感想などこちらまで:marble●tellacoli.com(●→@)
◾️イラストサイトの閲覧・ご依頼、お気軽にどうぞ!【寺井さおりイラストレーション