8月後半は、咳がひどい毎日でした。夜が眠れない日が続いたり、咳に頭痛が伴い痛みの酷さで医大に駆け込んだり。
回復へ向かう間、ずっと“おいしい珈琲が飲みたいな”と思っていました。
私がとくに気に入っているのは猿楽珈琲さんです。石田ゆり子さんのエッセイ(ゆり子さんのエッセイ好きです)で見かけて訪れるようになり、かれこれ9年くらい経ったかと思います。
↑2010年頃に撮ったものです
地下へと階段を降りると、オレンジのランプが出迎えます。
ひとつひとつ自然に区切られた席で、ランプの明かりの元、本を読んだり、ときどき友人や主人を連れて行き、話したりします。
随所にこだわりを持たれているマスター(saruojiさん)は、訪れた当初「怖い方なのだろうか」などと思っていたのですがお話しするとそうではなく、楽しく、自分に厳しく、優しい方という印象です。
私はよく病み上がりに「美味しい珈琲が飲みたいな」と思い、「そうだ、猿楽珈琲さんへ行こう」となるので、この図式では、3度ほど訪れています。
そして「やっぱり珈琲は美味しいなあ」と、なんとも言えない幸せな気持ちが身体中に充満している感じを味わいます。この感覚が好きで、クセになっているのです。笑
実は自分で煎れる珈琲も好きなんですが、ひとさまに煎れていただく珈琲はやはり嬉しいものです。
長くなりましたが、そんな経緯で今回も猿楽珈琲さんにお伺いしました。
そして今回は、猿楽珈琲さんが9月いっぱいで代官山のお店を閉め、移転してしまうことを知ったのです。
前々からそんなお話をされてて、「この店舗で喫茶店やるかい?」などと私に冗談を仰っていたマスターですが、それでもそんなにすぐの話ではないだろうと呑気に構えていた私はびっくりです。ついに来てしまったなと思いました。
勤務地として、よりご自宅に近い方面にてお店を出されるということで、もうそちらの準備も着々と行われているとのこと。
閉店と言うわけではないので心がぽっきりと折れたわけではないですが、個人的にも思い出があるこちらのお店にもう通えなくなるのはただただ寂しいです。
私はここ数年はいろーーーんな純喫茶に足を運ぶ日々でしたので、特に谷中に引っ越してからは年に2〜3度ほどしか猿楽さんに訪れていないのでした。“私が浮気している間に…!” なんていう感覚(思いこみ!笑)もあり、なんともやるせない気持ちです。
それにしても、虫の知らせではないですが、このようにちゃんと移転前に足を運べてよかったなと思っています。ご縁があるお店とはこういうことかと図々しくも思った次第で、そうなると咳が酷かった日々にありがたさを感じたり。
先週も主人を連れて再び訪れました。主人は濃厚な珈琲が飲みたいということで、最も濃い「二十三番地珈琲」をオーダーしていました。その左に、「さらに濃い一杯」というメニューがあり(正しいメニュー名ではありません)、「こっちも気になるなあ、こっちにチャレンジするのも面白かったかな」などと言っていたので、それは私が代わりに9月中に再訪してチャレンジしてみようかなとも思っています。
喫茶店を好きになってから、ほとんど毎日どこかの個人店が閉店しているという苦い気持ちを味わうようになり、「何にでも終わりがあるんだな」と実感せざるを得ません。特別に好きだったお店には、よりその思いが増します。
saruojiさん、新しい地でのお店でも、今までの味を楽しめることを心待ちにしています。
こちらでは、ショップカードをデザインさせていただいたのが、何と言ってもいちばんの思い出です。“喫茶好きなデザイナー”にとって、とてもありがたい経験。
saruojiさんと話し、移転先でも新しいカードを作らせていただくこととなりました。
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marble marble テラコリダイアリー
- イラストレーターです。日々気になったことをテーマに問わずブログにしています。マーブル模様やマーブルチョコのようなカラフルで雑多なブログを想定し、「marble marble テラコリダイアリー」としました。純喫茶、マッチ、散歩、昭和の建物、昭和歌謡、片付け、スケジュール帳などが好きです。コメント欄がありません。ご感想などはコチラまで→marble●tellacoli.com(●→@)
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