今年発売した自著「ほっかいどう喫茶の手帖」。
それを片手に、11泊12日の北海道旅行へ。
前回は、8日目までを綴りました(link)。
ここまで訪れたのは札幌〜小樽〜岩見沢〜深川〜旭川〜美唄〜砂川〜滝川〜美馬牛。
果たして今回は…。
ゆるゆるお付き合いください。
ぶっちゃけ飽きてきてますよね。苦笑
後少し、お付き合いいただけますか〜〜〜〜。
イレギュラーで本には載ってない留萌とか、出てくるので…(今回じゃないけれど)
何卒よろしくお願いします〜〜〜。
8日目・旭川
旭橋エリアの民芸店
朝は母の用事に付き合い、それから旭橋(旭川のメインの大きな橋)の近くの「トミヤ郷土民芸」さんに行きました。
この子を買うためです!
熊ぼっこです。
かわいい!
ひとつひとつ手作りの木彫りのくま。サイズも色々。
じっくり眺めて、最もかわいい子を選んだつもり…
ここには、昭和の郷土民芸品がたくさん売られてて(木製でキツネ付きのポストカード入れとかさ)。
それはもう綺羅星のごとく。
以前は駅やテレビ塔のお土産屋さんにあったような。
めちゃくちゃキュンとしました。
通販もあったけど本当にかわいい。懐かしい。
いつでもここに行ける旭川の皆さんが羨ましい。
逆に東京になくてよかったかもなあと思うくらい(おそらく大量生産していないだろうし、目の肥えた方にあっという間に爆買いされたら、それはちょっと切ないので)。
トミヤさんの近くには「ロータリー」がある。買物公園と旭橋の中間にあり、街の中心部だ。
ロータリー沿いには商工会議所の建物もある。
ここにはかつての名店「めるし」さんが入っていた。
気づけば「映える」喫茶店のようになりかけていった「めるし」。
困惑されているマスターのお話を聞いたのが最後になってしまった。
閉業は、あっという間の出来事だった。
だけども、ここの全てが可愛かったし、マスターの作るメニューにはいちいちキュンとした。
ある日のパフェを、「ぐるっと見てみて!どこからみてもきれいに見えるように盛り付けたよ!」っておっしゃってくださった。
丁寧にカットされているフルーツの美しさとバランス!
ママさんの着ていた制服も好きだった(スケッチした絵がどこかに行ってしまった涙)。
マッチの、ラベルシールだけいただいたこともある(このラベルを箱に貼り付けていたんだそう)。
私の本では124ページに。
買物公園へ
ここから買物公園に移動。各お店にご挨拶を。
旭川駅前から続く、街の中心部にある買物公園。
かつての私ら学生のたまり場だった。
デパートもファーストフードもカラオケ屋さんも巨大なアミューズメントパークも大きな本屋もあった。
今はほとんどなくなった。
その代わり現れたのが、イオンとツルハ(大型チェーンのドラッグストア)とタワマンだ。
随分と姿を変えていくので、久々に来る私は毎回戸惑いが隠せないけど、それでも飲食店は旭川で最も多いエリアだと思う。
(旭川駅から徒歩約8分・書籍36ページ)
宮越屋珈琲は北海道では有名な専門店で、味はもちろんなんだけど、旭川店の雰囲気は特に好きだ。
穏やかで誠実さの伝わるマスターは、きっとお客さんにも人気の方だろうと思う。
ファッションビル「オクノ」に入っていたけどここも数年で閉館だから、そのタイミングでの閉業が決まっている。
マスターにはまた素敵なコーヒー専門店を、ぜひ続けてほしいなあ。
「オクノ」。
昔はおしゃれなものしか置いてないってイメージで、憧れのファッションビルだったなあ。同級生が素敵ショップで働いていて、時々買いに行っていたなあ。
今は中間階のフロアは全部閉鎖しているみたい。
「オクノ」の道路を挟んだ向かいには、こんな建物。
端っこに「アラビゴコーヒー」の看板が見えるだろうか。
少し前までこの建物には「おもちゃのたもちゃん」という個人店があり、すごーく古くからのおもちゃ屋さんで、昭和からのゲームが生存している貴重なお店として、ちょっと有名店だった。
20軒目・旭川「アラビゴコーヒー買物公園店」さん
(旭川駅から徒歩約9分・書籍38ページ)
ここに出てくる「ナナカマド」は旭川の「市民の木」。
「キレンジャク」は「市民の鳥(冬に現れるみたいであまり見たことはないけど…)」。
マスターは市の観光検定を持っていたり、旭川のことに詳しい。
特に生き物とか自然のものに詳しいので、こういうメニューになったんだろうな。
素朴なディスプレイに、私の本も飾ってくださっていた。
本では常連さんお二人のことを描いたのだけど、マスターがこのお二人が私の本を持ってにっこりしている写真を見せてくださった(感激)!
今も変わらずマンガ「猫村さん」を読んでいるのかな〜
マスターは旬の食材を使ったオリジナルメニューを日々たくさん作っているので、この日も思いつきで二品作ってくださった。
ちなみにこちらの建物も老朽化がひどく、特に今年は暑かったため空調があまり良くなかったそうで、大変だったとおっしゃっていた。
地階なので換気も難しいみたい。匂いがこもるんだそうだ。
長く続けてほしいけれど、どうなるのかなあ…。
21軒目・旭川「ギャラリー喫茶ルル」さん
(旭川駅から徒歩約12分・書籍40ページ)
いつも常連さんが絶えないルルさん。
カウンター席でママと久しぶりにお話しした。
カップのセレクトがかわいい。
ルルさんは個人店ならではの店構えで、もしかしたら入るのに勇気がいるかもしれないけど、入ってしまえばママは優しいしメニューもおいしい。
奥のギャラリースペースでは「風景印特集」をされていた!
私も大好きな風景印。
とあるコレクターの方の展示なんだそう。
特に北海道もの・旭川もののハガキの絵柄と切手とのマッチングが見事だった。
貴重なものがいっぱい!
その近くにある「喫茶モンテローザ」は、建物だけずっとここにある。
ここもいつかなくなってしまうのだろうか。
ゴージャスな、素晴らしい内装だった。中はまだあのままなのかなあ。
私の本では126ページに載っています。
私の祖父が行っていたみたい。
この間、ライナーの編集者さんにもここの思い出話を聞いたばかり。
仏蘭西亭が閉業してしまっていた…
店主さんの体調不良だそう(壁に手書きの言葉が貼ってあった)。
49年間もの営業。昔は敷居の高いレストランなのかしらと勝手に思っていたけど、アットホームで優しい接客を受けた思い出。
レトロな内装も素晴らしかった。
10年以上前の仏蘭西亭の写真が出てきました。
3・8小路の風景として仏蘭西亭も描いたのだけど、またここも変わっていくんだな。
(旭川駅から徒歩約9分・書籍35ページ)
3・8小路の貴重な老舗喫茶、ブレンドさん。
(向かいにブラジルさんという喫茶店もある。ここも素敵だけど、常連さんを相手に静かに営業されていて、書籍掲載は叶わなかった。)
店頭の黒板。
ネコはいないネコカフェ、確かに!
インスタをご覧の方ならかなり頷けると思うのだけど、ママさんは猫が大好きで、インスタの画像はお家で飼っている猫ちゃんが多いのだ〜
(お店のアカウントは別にあったかもしれないのだけど)
この日はめちゃくちゃ混んでました。
若い方がWi-Fi利用しながらの打ち合わせでたくさん利用しているみたい。
なのでこれらは前回訪問時の写真。
ゴールデンカムイが並んでいる。旭川の買物公園も出てくる名作。
おもしろいマンガがいろいろ並んでる。
この日は他に、ちろるさん、神田珈琲園旭川店さんにもご挨拶した。
日が暮れた後に出会ったマンホールは、先ほどのアラビゴのコーヒーのメニューにもあった「ナナカマド」のデザイン。
夜は高校時代の親友と再会し、思う存分おしゃべりして飲んだ!
買物公園の変化についてネガティブな方向でモノを書きがちだけど、実は今の時代にあった新しいお店、こだわりの詰まった素敵なお店もどんどん増えている。
地元に住んでいたらもっともっと行きたいお店も色々出てくるだろうし、私の昭和脳もリフレッシュされて、今のような視点ではなくなってくるのかも。
でも私の思い出は昭和〜平成の半ばまでで止まってしまっているみたいで、特に今回は「ますます変わっていく姿」をみたので少し寂しかった。
これも時代の流れだよな…と、月並みのことを思うことしかできないけれど。
でもなんだか、昭和をギリギリ知っていた世代であることが嬉しくも思う。
勢いがあって、おもしろい時代の買物公園をちゃんと体験できた。
また、老舗店を受け継いでいきたい方々の想いや、息づくものも私なりにちょっと知れた。
古いお茶屋さんの新しい試み。
復活した銘菓のお店。
…この銘菓のお店の商品はなんと、小柳ストアーで取り扱っている日もあるんだとか!(「にちりん」さんっていうお店。)
私は今回の喫茶巡りの本で、少しはそんなことを伝えられたかなー。
少しでもそう思うきっかけになれてたら嬉しいです。
・・・・・てんとてん ten to ten・・・・・
- 東京在住のイラストレーターの日常の記録。
- いろんな点と点をつないで毎日は続く。
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