てんとてん

喫茶好きのイラストレーターの日常ブログ。てんからてんへ、ぼんやりとした日々。

東京の喫茶店『大森 ルアン』『大森 モナリザ』『茅場町 SUN茶房』『銀座 どんパ』『白山 ホワイト』

大森

ルアンに行ってきました。

店頭のサインなどに、あらゆるキャッチコピーがたくさんでした。「香り高い珈琲をお楽しみください」は良く見るけれど、何種類ものさまざまなキャッチから「昔からの喫茶店でございます。珈琲ひとすじです」というようなメッセージを感じ、ワクワクしました。

かわいいボードも。

店内もイメージ通りの「わたくしたちの喫茶店でおくつろぎください」と言われているかのような喫茶ならではのムードと、あとローカル感も混じり、居心地がよかったです。テーブルは天板のみガラスになってて、中に珈琲豆が見えるもので、そして私の席はたまたまマッチのラベルがたくさん並んでいました。見入ってしまうコレクションでした。

マッチのケースの中にも豆。そこかしこに珈琲愛、喫茶愛みたいなものがあって、それがとってもよかったです。


 
街をにょろにょろと歩いてみたら、レトロな看板や商店も多く、楽しかった。



それから、入らずにはいられないかっこいい書体の看板と出会う。


モナリザという名前の喫茶店は、あらゆるところで出会った気がして、それが自分で行った場所だったりサイトなどで見た場所だったり。ここもきっと見たことがあったんだと思う。ああここか〜って思いつつ、入店。

そしてとんでもなく素敵な空間が待っていて、驚く。
想像以上でびっくりし、マスターにその気持ちを伝え、ほかにお客さんがいない内にいろいろと写真を撮らせていただいた。

ソファのぱりっとした皮のかんじ、灯り、壁の模様、すべてがかっこよくって、またこじんまりとしたひとつの空間としてなんだか完成されてしまっていて、まるで京都などでふらりと喫茶店に入ったような気分になった。



後からやってきた珈琲のカップも素敵で、お店の雰囲気にぴったりだった。

茅場町日本橋、銀座

実は外観だけでは、あまりそそられていなかった茅場町の喫茶店のひとつ。前に見つけたけど、そのときは通り過ごした。でも、がつがつ期なので入ろうと決意。

すると思ったよりもずっとレトロで心地よい空間が広がっていました。ショーケースに並ぶ民芸品やお人形もいい感じです。ちょっと年配のサラリーマンが多くいらして、のんびりした感じも良かった。神保町のエリカに行ったときのような感覚を覚えました。

すごいなって思ったのは、昔使ってたと思われる“ミル”の形が、椅子にも彫られてるし灰皿にもなっている。明るく、お話しやすいマダムにお伺いすると、灰皿はお店のオープン50周年のときに記念に作ったオリジナルなんだそうだ。外観を見ていただけでは想像できなかった!


マッチにもコーヒー器具のイラスト! 昔大量に作ったものがたくさん残ってしまい、北国の知人のストーブ用に大量に分けたりしているのよ、って仰っていた。少し前に整理したらたくさん出てきた…と、前にダンテのご主人と同じようなエピソードを。表面が少し痛んでしまっていたけれど、年期の入った貴重なもの! 嬉しかった。

私が入らないだけで、外観だけじゃ分からないもっといろんな喫茶店があるんだろうなあ…としみじみ思いました。



銀座には、このお店の電柱看板をよく見ました。書体が古くていい感じなので、「もしかして喫茶店なのかも」とお店のある方に向かったら、まったくそういうことではない、めくるめく別世界のお店のようでした。

色合いも書体もさりげない白いばらのイラストも、どれもいいなあって思い、ひとり写真を撮る。周りから私はどういうふうに映っただろうか…。

「あなたの郷里の娘を呼んでやってください」…郷里と書かれると、一気にその女の子の身の上が気になって(娘のように思ったりして)、無責任にくつろげないのじゃないだろうか。それとも、そんなことを考えるのはナンセンスなのかな、などといろいろ想像してしまった。しかしそうではなく、もっと正統派の、ここで働くことは誇りに感じられるような女性たちが可憐に振る舞っているのかも知れない。いろいろ思っていたら、いつか入店してみたくなってしまった。内装も気になるし…。店内の音楽はどんな感じ?マッチやコースター、あるかな…?

おお、我が郷里の娘たちよ…。(私がガラスに映り込んでます)


それはともかく喫茶店へ。この周辺をウロウロする。

いくつか目についたけれど、“水コーヒー”が気になって、ここにしました。場所柄お高いのかなって思っていたらそんなことはなく、店内も気楽に過ごせるムードでした。

おもしろいなあって思ったのは、コースター。コースターは薄くて切れ目があり、グラスの一部が入り込んでいるというものでした。珍しい! デザインもかっこいい! 当然お持ち帰りです。


ブック型のマッチもありました。こちらはシンプルなデザインでした。


歩いて行ける場所。

自宅から足を伸ばすエリアで、白山方面にむかうとき、いくつか喫茶店があるなあって思ってました。でもそのうちひとつがなくなり鴎外記念館ができていたのを見て、ああやっぱり気になった時には入らなきゃだめなんだ、って思いました。(入らなくても良かったかも?というメッセージなのかも知れないけれど…)
そこで、ここに入店。ランチを食べようと思ったのでした。店内はジャズが流れてて、レコードやポスターもあって、ちょっとお洒落だった。

最後のひとつというマッチをいただきました。最後のひとつと聞いてやっぱり、入ってよかったなあと嬉しくなったのでした。