今月は仕事量も多かったため外出が少なく、喫茶店の新規開拓がなかなかできない月でした。
「喫茶店にガツガツ足を運ぶ」→「記事にする」→「ブログを見てくださる方も増える」…のサイクルがないので、ブログアクセス数もとっても穏やかな3月。笑
その代わりといっては何ですが、今月は珈琲の本を紹介したいと思います。
『月とコーヒー』(徳間書店)。
吉田篤弘さん作の短編集です。
お話はどれも少し不思議なものばかり。
それぞれの短編のタイトルも、
「黒豆を数える二人の男」
「ジョーカーのサンドイッチ」
「三人の年老いた泥棒」
など、設定としてなんとなくは分かるけど、具体的なストーリーのイメージはつきにくいような…フワッとしたエピソードがいっぱいです。
そして必ずお話の中にコーヒーが出てきます。とてもさりげなく。
私はこの本は大げさに言うと、割と運命的に出会いました。
なんか、食べ物でも「あー今日はこういう味のものが食べたいな〜〜」と、ぼんやり思ったりするじゃないですか。甘くてサクサクで、少しピリリとしたもの…なんだろう?
みたいな。
そんな感覚で、「あーコーヒーにまつわる本を読みたいなー。しかも、自分じゃ絶対に思いつかないような空想の世界に連れて行ってくれて、気分がぼんやりしつつも高揚しそうな」
って思って本屋に行ったのです。
この本の表紙を見た時「あった!!!!!」って思いました。
ほんとにあるじゃんって。感覚がジャストフィットしました!
嬉しかったです。
裏表紙の帯の「忘れられたものと、世の中の隅の方にいる人たちのお話です。」というキャッチコピーにも惹かれました。
短編集なのでひとつひとつの話を読み終わるのは早いのですが、私はそれを毎日ではなく、ほんとに思いついた時にちょっとずつ読んでいます。
時々思い出したら食べたくなるようなものの感覚で読んでいます。
ドーナツとか?ラーメンとか?
毎日じゃないけど、それが食べたい!と思ったら、それしか考えられないようなもの。
“なんかちょっと落ち着くな”“ なんか、心地いいな”というような、“なんとなくな気分”を素晴らしい世界観で味わえます。
『おいしいコーヒーをいれるために』中川ちえ著
これは20年以上読んでいてボロボロなんですけど、ずっと手放せないコーヒーの指南書です。
東京に出てきたばっかりの頃、おいしいコーヒーを家でも飲みたいと思い、当時はネルとかプレスとか、手で挽くグラインダーとか、いろいろこだわって淹れていました。
けれどやはり私は素人で、そういったことを極めるのには時間も手間も足りず、プロの味をいただきに行くのがいちばんと言う結論に至っちゃいました。
だけど家でも美味しいコーヒーを飲みたいという気持ちだけは譲れない。
その当時出会ったこの本は、分厚い指南本というのではなく、ページ数も少ない、めちゃくちゃシンプルな本。
「お湯の注ぎ始め」など、大事なところは丁寧だけどひたすら最低限な手間が簡潔に紹介された、“自分の日常使いにぴったりだ”と感じた本です。
当たり前のようにここで書かれた通りにコーヒーを淹れて飲む生活が続いていて、今考えると20年以上、なんの気の移ろいもなくずっとこのスタイルだよな…と思いました。
そんな、自宅で読んで楽しいコーヒーにまつわる本の紹介でした!
…と本の紹介をしてもブログアクセス数はあいかわらず穏やかな3月には間違いなさそうですが笑、両本ともオススメです。
緊急事態宣言の解除もようやく間近なようなので、またゆっくりとあちこち足を運びたいです。
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marble marble マーブルマーブル
- イラストレーターです。日々気になったことをテーマに問わずブログにしています。マーブルチョコのようなカラフルで雑多なブログを想定し、「marble marble マーブルマーブル」としました。純喫茶、マッチ、散歩、昭和の建物、昭和歌謡、片付け、スケジュール帳などが好きです。コメント欄がありません。ご感想などはこちらまで→marble●tellacoli.com(●→@)
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