先日、ブログ「喫茶のすたるじあ」を運営されているコトリスさんのZINE『喫茶店の旅 私なりの47都道府県の純喫茶』を購入しました。
近所の喫茶店にて。
関西をメインに喫茶巡りを行い、ブログを綴られている方です。
ブログの整え方、細かい取材など、充実した内容ですごいです。
私もなかなか行けない喫茶店のことを知ったり、楽しく読んでます。
ここにある『喫茶店の旅 私なりの47都道府県の純喫茶』の『47都道府県の純喫茶』とは、私も大好きなこの本のこと。
この本は、今までにないタイプの喫茶探訪記で、発行当時すごく衝撃を受けました。
喫茶店で過ごすことを自分軸でしか考えたことのなかった私は、自分が心地よく過ごすために、また、レトロなもの、変わったものを見て自分がワクワクしたいがために、喫茶店に通い、主観で感想を持っていました。
それでいいと思っていたし、いや、今もそれでいいと思っているんですが、著者の山之内さんの視点はもっと踏み込んでいました。
そのような喫茶店の雰囲気がなぜできたのだろう、どんな人生を送られてきた店主がこのようなお店を開くに至ったのだろう。
切り口は温かく、店主さんたちが心を開いて山之内さんと交流していることも伝わる文でした。
喫茶店の歴史を細かく記した本は実は世の中にたくさんあります。常連さんだけが知る喫茶店の魅力が綴られた名著なども。
ですが、山之内さんは当時のご年齢(30代前半)で、しかも47都道府県を巡って、同じお店には何度も通い、取材を行っていました。
またこの本を出すためにきれいな写真を撮りたいと写真教室に通われたり。
喫茶店とそこにいる人が好きだからこそ、誠実に伝えたいんだなと。
そういう”相手軸”に立ってるスタンスに衝撃を受けたのです。
そして同時にショックを受けたのは、そんな山之内さんが、本の刊行後まもなくして不慮の事故で亡くなられていたことです。
【喫茶のすたるじあ】さんは、この本に当時心を動かされ、載っているお店に行ってみようと出た先でその訃報を知ったそうで。
ショックを受け、一度は喫茶巡りは取りやめて帰ってきて、そして時が流れた後に、改めて行ってみようと追体験(という表現が適切かどうかわかりませんが)するように。
そこで感じられたこと、お店の方とお話したこと、写真。
それらがまとまったのが、この『喫茶店の旅 私なりの47都道府県の純喫茶』です。
ZINEならではの率直な文章で、読んでいて共感できるし切なくもあり。
追体験は今も続いているようで、お店の方との交流によって山之内さんを思う皆さんの様子がわかります。
私も『47都道府県の純喫茶』のファンとして、この本が「過去」にはならず、「今」もなお知れるのは嬉しいです。
「純喫茶に通うことで人生を知る」というのは、ただ喫茶店にいくのとは違い、ちょっと重いテーマかも知れません。
だけど喫茶ファンだとどんどんそっちに傾倒していく傾向が…。
「あるある」かも知れないです。
あーこういう店主さんがこういうお人柄で、こういう人生だからこういう喫茶店なんだな。
だから私はここを好きって思うんだな。
と、背景を深堀りするのが楽しいんです。
私にとってそう思うようになった最初のきっかけは、山之内さんの本でした。
今も残念に思うし、もっと本や話に触れてみたかったなと思います。
『47都道府県の純喫茶』に出てくる北海道の喫茶店は二軒あり、稚内と美唄にあります。
どちらも店主さんはもう亡くなっていて、お店は存在しません。
私もブログ記事に書いたりイラストにしたことが。
喫茶店が好きだと、儚いものに触れることがまあまあ多いです。
いつまでもあるわけじゃない喫茶店の個人店やそこに関わる人のことを、今のうちに楽しんでおかなくちゃ。
marble marble マーブルマーブル
- 東京在住のイラストレーターの日常の記録。
- ブログタイトルの「marble marble マーブルマーブル」の意味…雑多で長い記事が多いけど、マーブルチョコのようなカラフルな世界になるようにと願いを込めて。
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