てんとてん

喫茶好きのイラストレーターの日常ブログ。てんからてんへ、ぼんやりとした日々。

映画『君たちはどう生きるか』観てきました…後半ネタバレあります、気をつけて!

ずっと好きで追いかけてきたジブリ映画の新作は、“どうせ見るのだからネタバレしちゃう前に早めに”と思い足を運びました。

そんな感想ブログですが、どうしたってネタバレが含まれちゃいますので、どうかどうか、これから観る方はお気をつけください。



いきなり文章だと目に入っちゃうかなと思うので、

ちょっとBGM的な感じで画像をいくつか挟みますね。

 

そのあとはネタバレ感想文になってしまうので、くれぐれもよろしくお願いします!

BGM的な画像はレトロな風景で。

映画と関係性ゼロでてきとうに。

横浜のスカンディヤ

 

上野発札幌行き、北斗星

 

かまたえんの観覧車

 

伊東行き、踊り子号

 

サカエヤミルクホール(前の建物)

 

挟みました!素敵な飲食店の外観と懐かしの乗り物。

昭和の世界。よいですね〜

 

さて、未見の方は、引き返すなら今です。

せっかくの今時めずらしい、「情報ゼロ」の映画です。

そのままの状態でぜひ見てください。

 

あとは自己責任で!

くれぐれもよろしくお願いしますね!

 

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▼映画『君たちはどう生きるか』ネタバレあり感想

 

星が付けにくい…というような…とっても独特な…なんと評価して良いのやら…

ちょっと難しい映画でした!

だけどいちばんに私が思ったのは、本当にこれで宮崎駿監督の作品は最後なのかもしれないし、だとしてこれが監督の若者へのメッセージだとすると、とても力強いのと同時に切なくもあるなという気持ちです。

 

私はあのおじいさん(主人公が飛び込んだ世界の主)は宮崎駿さんだと思いました。

 

あのどんどん変わる、いろとりどりな世界はこれまでの宮崎駿さんの頭の中で、作品で。

そこが壊れていく。消えていく。

そこから飛び出していく若者の、これからの背中を押す物語だと思ったのです。

 

だって「あのおじいさんは頭が良くて、いろんな本を読んで考えすぎて、頭がおかしくなってしまって帰ってこられなくなったのよ」と子孫が言うシーンが出てくるんです。

なんだかこれは、宮崎駿さんが世間からこう見られていると思っている自分像?

皮肉めいた表現のようでなりませんでした。

 

だけど実際あのおじいさん=監督かどうかわかりません。

私が勝手にそう思っているだけです。

答えがあるのかどうかもわかりません。

 

ちなみに私はなぜあれを宮崎駿さんかと思ったかというと。

私は上映がスタートしてからずっと、この映画をどう解釈したらいいのかわかりませんでした。

ストーリーは進むけどわからない…

なんだか地味で、飽きてしまいそうなムードすら感じていました。

時間だけがどんどん進むので落ち着かなくて、何かストーリーに意味を持たせたくて、そんなふうに頭の中を持っていくようにしました。

 

宮崎駿さんの頭の中に誘われて、冒険する男の子”。

するとストーリーの内容が私の中では辻褄があいました。

 

この映画は、場面の展開がけっこうはちゃめちゃです。

戦争のシーンから始まり、青鷺に出会い、森へ行き、塔へ行き、湖のような場所に飛び込み、海へ行き、家の中に隠れ、花火が上がり、お屋敷に行き、女の子が連れ去られ…。

そして大量の、大群の、鳥、鳥、鳥!!!

なんだこれ?と意味を考えると、訳がわかんなくなります。

 

今まで見たジブリもわからないシーンはあったけど、今回はぶっちぎりで分かりません。

 

だけど宮崎駿さんの頭の中に飛び込み、頭の中がこんなふうにどんどん移り変わっていくんだと思うとなんだか楽しくなってきました。

次はこう来たか!

ハハっと笑っちゃうようになりました。

途中でめちゃくちゃかわいい子たちも登場します。

絵の構図やキャラクターはずっとおもしろくて、凝っている。

大群の鳥も、あのかわいい子たちも、動きがひとつひとつ違い、しかもどれもイキイキとしている。

アニメーションの技量のすごさと大変さを感じました。

あのスタッフたち全員がネタバレしないように気をつけながら作画していたんだなあ〜

 

▼ここからさらに、ネタバレあります。気をつけて〜〜

画像を挟むので…今のうちですよ。

JR北海道の鈍行列車の中。パノラマ撮影。両側が広大な風景。

 

 

▼進みます。

おじいさんは最後に、自身が慎重に積み上げ、グラグラながらも完成した積み木を積み直しなさいと、主人公の“まひと”に託そうとします。

だけどそれは、“インコの長”が大胆にかっさらい、乱暴に積もうとして結局失敗。

あの世界はガラガラと壊れてしまい、みんな逃げ出します。

 

インコめ!という感じです。

重要な役でおじいさんのそばにいるようなキャラだけど、おじいさんとは感覚がズレている。噛み合っていない。

あのインコは何を表しているの?

”今の世の中“的な、大きなもの?政治?まさか鈴木Pさん?

 

とりあえずインコたちは、めちゃくちゃ「ばか」っぽく描かれていました(だから鈴木Pさんとは違うと思うけど…)。

インコたち、一緒に現世に逃げ込み生き永らえるのですが、もうインコの周りはフンだらけです。

父ちゃんにもお嫁さんにもまひとにも白いフンをかけちゃって。きったない。

そして、ギャーギャー言いながらほうぼうへ飛び出します。

やれやれって感じです。

 

そんな中で主人公の男の子の冒険も終わり、現世で前を向いて生きようとしていく…end

でした。

 

男の子は短い時間にいろんなものを見て、体験しました。

あんまり良い部分だけではなく、嫌な部分もある世界。

そんな中に「君たちはどう生きるか」という監督の問いかけがあるのかもしれません。

複雑なようでシンプルなメッセージということなのかもしれません。

 

 

だけど、これは夫が話していたことだけど、

何をどう大人が考えたって、宮崎駿さんが伝えたいのは「子どもたちへ」なんですよね。

子どもはこれを観てどう感じるか?

 

だから大人の私が深読みしたり考察したところで何になる?なんですよね。

でももう私は大人だから、小難しい大人だから、こういうふうに意味を持たせようとしたり深く考えちゃうんですけど。

普段読んでる小説なんかと同じように。

 

ちなみに小難しいついでに、「青鷺」って何を表してたんだろな。

映画のポスターにもなっている、あの作品を見るための唯一の手がかりの青鷺。

なんの比喩だったんだろう。

自分なりにもう少し考えてみたいと思います。

 

 

●絵柄について

ジブリ映画の絵は、私はハウルあたりから特に感じただろうか…。

あんまり“萌えるようなもの”ではなくなり、顔つきも凝るようになりましたね。

前のサッパリとした、影とかのない顔の方が好きだな。

 

そして目の中の白いキラキラ部分。

涙を流すとキラッとしたり、影ができたり。

それもいらないなー。

 

アニメ全体に…、もうディスニーにでも、何でも物申すという気持ちなんですが、80年代くらいまでのシンプルな絵が好きです。

CG等で技量を見せつけず、あえてあの頃の絵柄のアニメーションがもっと見たいなあ。

近年だと「この世界の片隅に」の絵は好きだったかなあ。

 

●小ネタ的な匂わせ画面について

多分ですけど、この映画はわざと「過去作品のあのシーンを一瞬思い出させる」ようにしてません!?!?!?

・ルパンのような車の操縦(父の運転)

ナウシカ王蟲の殻のような飛行機の部品(父の工場)

ラピュタの線路が崩れ落ちるようなシーン

・メイちゃんがトトロに会いにいくトンネルのような小道

・綱の手を離しちゃうトンボをキキが救出するような手繋ぎのシーン

アリエッティの家のようなインテリア

いちばん多いのが「ポニョ」のような気がしたけど、え?これって…っていうシーンが多かった!

 

あれ、わざとですよね?

既視感のあるシーン、最初は偶然かな〜と思ってたけど、これはもしやわざと入れて小ネタにしているな!?

そう思いました。

わかんないですけど(そればっかり)。

そういう意味でも、宮崎駿監督の今までの世界、頭の中が、めいっぱい詰まった作品ということなのかもしれません。

 

大人だからえらそうに”評価”したくなっちゃうけど、でも評価のしにくい、そんな作品でした!

ちなみに声優にあいみょん、主題歌に米津玄師がいたけど、宮崎駿さんにとって、次世代に希望を託したい、代表する2人なのかもしれませんね。

前情報がほとんどないまま観る声優さんの声、よかったです。

いかに普段、前情報で余計な気持ちをインプットしているかを知る作品でもありました。

キムタクっていったらもう「全部キムタク」になってしまうしね。

でも、ハウルの時も思いましたが、キムタクの声優良いですよね!

 

●最後に

宮崎駿さんという、日本でも代表する偉大な方がまだご存命で、同じ時代を生きていて、そして令和の今もなお新作を発表してくれる。

それをリアルタイムで追いかけることができている。

こんな貴重なことがあるでしょうか。

当たり前のようでそんなことはない、今しか感じられないこういう気持ちを噛み締めました。

ジブリ映画は魔女の宅急便がいちばん好きです。そして、トトロ、ナウシカ。「ジブリが制作した」という意味では赤毛のアンも好きです。

どうしても初期派ですが、30年以上経った今も、こうして作品に出会えて嬉しい。

 

以上で、『君たちはどう生きるか』感想ブログを終わりにします。

ありがとうございました。

 

・・・・・てんとてん ten to ten・・・・・

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