てんとてん

喫茶好きのイラストレーターの日常ブログ。てんからてんへ、ぼんやりとした日々。

【雑誌好きなもので!】当時の雑誌や本を持ち寄り、座談会をした時のはなし

よく会う友人と、「15〜20年ほど前の本や雑誌で受けた刺激、知ったカルチャーっていっぱいあるよねえ」っていう話をしまして。

15〜20年ほど前。

雑誌がまだまだいっぱいあって、ムック誌、個人で作った「ペーパーバック」などももっともっと元気だった頃。

その時に夢中になったものをそれぞれ持ち寄り、どんなふうに夢中だったかを今一度話そうじゃないか!アドレナリンを呼び覚まそう!

なんて言いながら語り合った「座談会」がすごく楽しかったので、今一度ここで振り返ってみようと思います。

私が持ち寄った雑誌たち。少し渋め。元気カルチャーから少し外した「ほっこり」「落ち着く」に心が行きがち

 

この頃は、誌面のパワー、広告のパワー、写真のパワーも感じてましたし、スターのカメラマン(平間至さんとかHIROMIXとか)やグラフィックデザイナー(私の時代は服部一成とか菊地敦己さん、D-BROSなど)もいらっしゃいました。

そして、それらを彩るカルチャーの代名詞のようなアーティスト(ジュディマリYUKIとかCHARAオザケンとかカヒミ・カリィなど)もいて。

ワクワクしてました。たのしかったです。

嶺川貴子さんの雑誌の切り抜きをいっぱい集めてました

 

雑誌「Olive」にはスターが続々。これはYUKIちゃんのインタビューページ。

 

そして、CHARA

 

当時のOliveでのアイドルは、市川実日子ちゃん

 

誌面から溢れる”かわいい女の子パワー”。色々と影響を受ける。「私はミーハーだ」と自覚しました。

 

緒川たまきさんのメキシコ旅行記。雑誌は「H」だったかなあ。

 

坂本龍一プロデュースでデビューした中谷美紀さんのシングル曲の広告。左はKEITA MARUYAMAデザインのワンピース。「ZORA」という雑誌の特集ページ。

 

アジアンファッションも流行ってて(コキュとか?)、これもKEITA MARUYAMAデザインのページ。

 

デザインの勉強もしていたので、広告ページも好きでした。またまた市川実日子ちゃん。

 

雑誌の広告ページから、キャッチコピー・写真・商品のダイレクトな力をキャッチしてました。

 

 

私は20代にずっとそういうカルチャーを元気いっぱいに浴びていて。

影響されて数人でコラムを持ち寄りフリーペーパーを作ったり、友達と写真を撮りあったり。

(例えるなら…漫画「デトロイトメタルシティ」でクラウザー様に変身する前の、渋谷系大好きな根岸くんみたいな?)

青く、そして今となっては儚いとも言える時を駆け抜けていきました。

 

少し経って、その元気さと相反するかのように「渋い喫茶店」が心の中に棲みつき。

…というか、そういった一面がもともとあったのですが、やがてそれがわかりやすく表立つようになり。

そっちが主流な生活になり、今に至るという感じです。

Oliveにも喫茶店特集があったのです。こういうのを読み、京都の喫茶巡りに行った20代。

 

颯爽と現われたスター、沼田元氣さん。こんな人がいたのかと衝撃だった。最初は箱根の旅行本だったかなー。上京して初めて行った映画館では「ぼくの伯父さん」を観たのですが、沼田元氣さんのトークイベント付きでした。

 

登録すると沼田元氣さんから新刊のお便りなどが届いてた時代。グッズ、いろいろとってあります。

 

カヒミ・カリィとはなさんの対談!おふたりとも「ウエスト目黒店(閉業)」を推してました。カヒミ・カリィも好きで、「We Love KARIE!」というファンが集うホームページをよくてました。PV集のビデオも、毎日のように見てた!

実は北海道ともご縁があって喫茶本を出している沼田元氣さん。凄まじいデータベースと札幌の喫茶の歴史が細かく紹介された本。

 

Olive時代、渋谷系時代のカルチャーをど真ん中に浴びた世代は、少しずつ「自分たちもこういうの好き!作る!」という個々のエネルギーが強くなっていったような気がします。

書店にも、大衆性のある雑誌より「個人的な趣味の本」が増えていったように思う。

手紙社さんが登場したり「レトロ印刷」さんが登場したり。

「ペーパーバック」と呼ばれるものは、「ZINE」という名称に変わっていき。

20年頃から?もう少し後かなあ?

今見てもどの表紙も可愛い「東京旅行」。

 

今も憧れる「海月書林」さんと「いろは」。荻窪の6次元が「ひなぎく」というカフェだった頃、スペースの端っこが海月書林」さんの書店だった。市川さんは私の中で永遠のスターのおひとりだ。

 

そしてそれも経て、今はどんな人もネットでいろんなことが発信できるようになり…。

みなさん個々でデザインも写真も取り組み、言葉を紡ぎ。

もう、「自分たちだって発信する」は、本当に特別なことじゃなくなった。

 

自由で良い時代だなと思うのに、なんだろう、昔浴びてたあの時代のパワーは、元気は。

拡散されずに、ひとつの方向に皆の関心が集まっていたから?

売れまくる雑誌に本にCD。

確実に、スターがいた。

大衆的な雑誌のパワーというのはなくなり、ますます個の時代に変わっていった。

 

どっちがいい時代?

どっちもいい時代と思いたい。

比べることじゃないのかもね。

 

昔は良かったと言い出したくない。

それを言い始めると、とてもつまんない、ダサいおばさんになっていってしまう。

言わないように意識しながらいろんなことを考えている同世代の人もいっぱいいる。愚痴よりも、その人たちの話を聞きたい。私もそっちに行きたい。抗いながら。そっちに舵を取っていきたい。

座談会はその辺りで答えが出ないまま、終了となったのでした。

 

・・・・・てんとてん ten to ten・・・・・

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