てんとてん

喫茶好きのイラストレーターの日常ブログ。てんからてんへ、ぼんやりとした日々。

自著『ほっかいどう喫茶の手帖』を片手に北海道の旅【番外編・留萌の旅その2】

今年発売した自著「ほっかいどう喫茶の手帖」。

それを片手に、11泊12日の北海道旅行へ。

この間までのブログで、10日目までを綴りました。

挨拶回りで疲れが出てきた私は、最後の2日間は、ひたすらぼんやり過ごすことに決めました。

 

母が推している「留萌」へ。

漁港や道の駅を楽しみ(前回のブログを見てください・link)、今回は喫茶巡りへと繰り出します。

短い時間での弾丸喫茶巡り、スタート。

 

11日目・留萌の喫茶めぐり

留萌の喫茶店、まずお店探しなんですが、道の駅に置いてあった手書きマップを参考にすることにしました。

留萌全域!細かくて楽しいなあ。

じいっと見てしまう。

余談ですが古い港町というのは街づくりが独特のように感じ、地図を見ただけでも倉庫やモニュメント、飲食店など気になるものがたくさんありました。

地形も入り組んでて、不思議な立地の建物もあって興味深いです。

 

北海道の港町だけをテーマにした本を作るのは、私の次なる夢だったりします。

(東京版もちゃんと作り込みたいし、やりたいことがいっぱい)

 

1軒目「Kitano」

青くて目立つ外観の、階段を登ります。

店内に入り、キタコレ!!って思いました。

なんて可愛いんでしょうか…

メニュー表の値段は、初期のままだそうです。

今も飾りのような形でここにあるのだそう。

撮影の許可をいただく際に、「ここ(メニュー表)が一番人気なんですよ」とママがおっしゃっていました。

 

撮影と突然言って戸惑わないかな〜と思っていたけど、少し慣れていらっしゃる様子。

どうやら、ここは向かいが廃線した留萌駅なので、その時期にかなり多くの方が足を運ばれたそうなんです。

「一眼レフで撮って行った方もいらっしゃいましたよ」って。

お店の窓の向こうは、留萌駅なんです。

大きな駅。

頼んだカルピス。かわいい色のトラックが通り過ぎていきました。

コルクのコースターにも「KITANO」って。

素敵な喫茶店って、もれなくカーテンも素敵です。

 

お店を出た後に留萌駅を改めて眺めてみた。

大きくて私のスマホでは左右いっぱいに入らない。

複雑な緑色の組み合わせの、ちょっと不思議な外観だ。

 

駅舎は役目を終え、これからどうなっていくのだろう。

「Kitano」さんで喫茶店も、目の前の留萌駅というロケーションも両方楽しめました。

 

2軒目「ホワイトレディー」

母が何度かきている喫茶店に、連れてきてもらった。

外観たまらん…。電光掲示板も、ちゃんと動いている。

まだこういうお店が現役だなんて。

やけに奥まった場所に入り口がある。

車椅子がいくつか置かれている。

経営されている方はかなりご高齢のご夫婦と聞く。

外出の際に使うのだろう。

奥にガラス戸があり、そこから入店。

わあ、すごいです。

聞いてはいたけど、豪華だあー

カウンター奥の中央部から大きな煙突が突き出ている。

北海道の灯油のストーブを使う場所でよく見かける。

触ったらガチの火傷をしてしまうので注意が必要。

 

私たち(お客さん)が現れると、音楽を流して下さった。

喫茶で今までに聞いたことのないくらいの大音量の演歌でびっくりだ。

(少し笑ってしまうくらいだった)

メニューは珈琲のみとなっていて、マスターが自家焙煎した豆で淹れてくれる。

今回もわざわざ外出中のマスターを呼び戻してくださり、珈琲を淹れてくれた。

お年を召したマスター。

お店の雰囲気を見たり、ママのお話を聞いていると、ここがかつてはとても華やかで豪華で、時代を築いていた場所だというのが伝わった。

そこにはホワイトレディーの歴史と、その中心に居たママやマスターの確固たる気高さのようなものを感じる。

何度も書くけれど、そういう世界に今でも少しだけ触れられることが尊い

小さな街の港町で、こんなゴージャスな、昭和の映画に出てきそうな喫茶店に入れるんですよ。

レジスターも年代物。

帰りはお店の前まで出てきて見送ってくださった。

母とママは、このあたりの街の様子のことなどの話をしている。

私は体験していない、激動の昭和の時代の話をちょっとでも聞けるのは楽しい。

 

3軒目「飛鳥」

ここもさっきの地図に載っていた。

最初、喫茶店はKitanoとホワイトレディーだけにしようかと思っていたけど、ここも歩いて行けるくらい近い。

それに外観を見たらどうしても気になって、「ちょっとだけ行ってみたい。すぐ戻る」と母に言って、私一人で飛び込んでみたのだ。

するとすると。

想像以上にとっても可愛らしい空間が広がっていた!

特に好きなのは、この茶系のまだらのタイルのような装飾だ。お店全体に調和していて洗練されてて素敵だ。

奥のテーブル席。カーブの仕切りと、それがクッション材なのも良いー

ゲーム台の席いろいろ。

そして喫茶メニュー。いろいろあるみたい。

 

入り口付近に小さなキッチンがある。

テキパキと、感じの良いママがおいしいアイスココアを作ってくれた。

うっかり撮り忘れて、飲みかけの写真しかないので写真は省くんですが、丁寧に作ってくださりおいしかった。

インテリアも年季の帯び方も、完璧な空間が広がっている…と思った。

 

これは留萌は、もしかしたらまだまだいろんなお店があって相当ハイレベルなのでは?

そうも思ったけど、そろそろ時間切れだ。

帰宅後気になってググってみたけど、ほぼほぼ出てくるのはホワイトレディーさんとKitanoさん。

いや…でも、まだまだあるんじゃないの?

さっきの地図を頼りに、もう少し深堀りしてみようかしら…

喫茶の文字は少なくない。

この地図、他にも「稚内」「増毛」「豊富」を持ってきてみました。

なんだか懐かしいタッチだけど、情報は刷新されていて、最近の映画のロケ地になりました、とか、いろいろと細かい。

「オロロンまっぷ」と言って、全てのエリアの地図を繋げると稚内から増毛までの大きなシートになるんだそう。凝っている!

 

そんな留萌の旅。

前回綴った漁港での時間も加え、半日とは思えないくらい思う存分楽しみました。

一つの街を知ってしまうと、またそこに行きたくなってうずうずしてしまいます。

 

では、留萌旅をお読みいただき、ありがとうございました!

北海道旅ブログは、しつこくあとひとつ続きます。

 

・・・・・てんとてん ten to ten・・・・・

東京在住のイラストレーターの日常の記録。
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