てんとてん

喫茶好きのイラストレーターの日常ブログ。てんからてんへ、ぼんやりとした日々。

【また長文ブログ】喫茶店がなんだか新しい時代へ…どうしたらいいのか拗らせ中。

昭和の喫茶店巡りが好きなのですが、どうにもこうにも、最近

「行列で入れない」

「思ったよりも混雑しているので入るのをやめてしまった」

なんてことが増えてきました。

レトロブームというのが起き、SNSではきれいな写真や動画を撮りたい人もますます増えて、「より映える」場所として、昭和の喫茶店は一気にブームへと変わっていったように思います。

 

もともと“映えによる集客”も見込んだ新しいカフェやネオ喫茶なら「コンセプト大成功っすね」と思うんですが、もともと昭和から変わらぬスタイルでお一人で続けてこられたご高齢の方のお店が行列になっていたりすると、

なんか、なんていうか…

超勝手になんですが、心が痛みます。

 

たくさんの方が足を運んで、みんな笑顔で楽しく心地よくおいしく過ごしていたら、マスターは嬉しいと思います。

真心込めて作ったものを喜んでもらって、売り上げがアップして、常連さんもいらっしゃって、話を聞いたり軽口をたたき合ったりして、ほどよく疲れて日々充実していたら、きっとそんな素敵な喫茶人生はないだろうなーと。

 

でも今はバズると、なんか、そういう範疇では考えられないような、たくさんの人がお店に集まる時代へと変わりました。

みなさん片手にはスマホを持っています。動画用、自撮り用に棒付きのスマホの方も。

日本だけじゃないんですよ。世界の方が見て、わざわざ観光の際に立ち寄ったりもするんですよ。

お店で撮った動画に派手な文字がついて、音楽もついて、マスターご本人も知らないところでショート動画として世界中で拡散されて行ったりします。

 

それだけ素晴らしいものが昭和の喫茶店のメニューや内装、マスターやママのお人柄にはぎゅっと詰まっていたので、見つかったら人気が出るのは当然といったら当然です。

 

だけどそういう時代に、マスターやママは対応できているのかな。

もう、本や雑誌で紹介されるだけの時代とは違います。

 

東京は人が多いので、今、特にそんな傾向が顕著です。

私も今日は、久しぶりに行きたかったお店に入るのをあきらめてしまいました。

だってただでさえ忙しそうなお店で、これ以上マスターを疲れさせるのに気が引けちゃったんです。

 

かくいう私だって偉そうなことを言えるような身でもなく、今までかなりたくさん、ここに喫茶探訪記もアップしていますし、SNSにも喫茶巡りのことを写真やイラストでルポしています。

それを見て新たに誰かが喫茶店に行くといいなとは、少しは思う…。それはシンプルに、良い場所を伝えたいという思いでもあるし、なんかそこにパーソナルな部分を持ち込みたいというか…いわゆる承認欲求だってある。

とはいえ、そんなに影響力はないだろうなと思っていたんですが、万が一、すごく影響力のある人が私のなにかを見て、少しずつ広がり、それがきっかけとなって小さな個人店がバズってしまうことだってあるよなーと不安で嫌な気持ちにもなります。

でもそこまで責任って背負えないですし、人ぞれぞれの常識の範囲でやるしかないですよね。

 

ほんとうに…

ここのところの、

特にInstagramTikTokが流行してからの行列店の昭和喫茶を見かけるたびに、

「これ、ずっと今後もこのままなのかな」

と不安になります。

 

単純に、今まで落ち着いていた穴場喫茶に入れなくなっちゃったのもショックです(そんな場合にはあのお店このお店と、他にも候補はいろいろとあるんですが)。

 

いちばん聞いてて(見てて)嫌なのは、「影響力のある私がここを紹介してあげるよ」というスタンスで動画や画像をアップする方がいることです。

えーそれお店の方が頼んだかな〜?と思います。

 

そうすることで小さな、高齢の方のお店がどうなると思っているんだ?なんでそんことも想像できないのかな、自分のことしか考えられないのかなと、この辺りは私はけっこうキツめにいろんなことを思います。

 

前までは全くそんなことを思わなくて、影響力のある人がいると、個人店も盛り上がって、経済もまわり、潰れないお店も増えて、素敵なことだと思っていました。

 

だって目的が「バズり」じゃなかったから。

あまり知られていない素敵な世界とそのお店の歴史、マスターやママの人生、個性とか、へんてこなモノとか、おいしいものを愛おしく優しく伝えてくれるものだったから。

 

ほんとに時代が変わっちゃったなあ。

 

なんか私の思考もどんどんめんどくさいものになってきちゃいました(苦笑)

ちなみにInstagramなどを通しても、そんなふうに愛おしく優しく伝えてくれる方だって居て、線引きをしているわけでは、決してないです。

昭和喫茶って素敵ね!って目覚める(笑)タイミングって人ぞれぞれで、遅いも早いもなく…

 

だけど世の中が「ブログ時代」のほうが平和だったな。

その前の、例えば杉浦さやかさんとかが本で伝えてくれていた時代はもっと良かったな。ヌマ伯父さんと。

こうやって人は懐古主義になってしまうのかしら〜涙

 

ちなみに私も、今後喫茶店のことで発信したいものがまだまだあります。

本ももうじき完成ですし。

 

それもあって、自分はどうだろう、どんなふうに今の時代に何をしたらいいんだろうと、考えが止まらないので、文章にしてみました。

 

ここまで考えてきて思うのは、少なからず、過度に見返りを求めないで、何かを狙ったりしないで、シンプルに「素敵だったよ」「私にはこのお店がこう映ったよ」というのを、丁寧に表現できたらいいかもです。

 

そして個人店を扱う時に慎重にならなくちゃなと思ってます。

そこにバズり系を取り入れようとするのは、イケてないことだな。

打算は透けてしまう。伝わってしまう。

バズりを狙うなら、完全に自分のオリジナルのものだといいな。

 

先日の展示が終わったあと、喫茶イラストルポのアカウントの更新が今止まっちゃってるんですけど、そんなことを考える日々でした。

 

いろいろ書きましたが、今後投稿するもの、発信するものも、結局今までと変わりないものである可能性が高いです。

 

でも、いろいろ考えちゃいますよねー

何か同じようなこと、ちょっと方向が違うようなことでも、同じくぐるぐる考えている方がいたらお話し聞きたいです。

 

ああでもないこうでもないを繰り返しながら、ずっといい感じに喫茶巡りができるといいですよね。

 

文章だらけになっちゃったのでイラストも。

これは実は、2010年に描いたもの。

国立邪宗門、下北沢マサコなど、当時喫茶の閉業を惜しんでたルポです!

新宿のカフェユイットも好きでした〜

カフェユイット、ご存知の方いますか?

 

marble marble マーブルマーブル

東京在住のイラストレーターの日常の記録。
人見知りですが、せめてブログはマーブルチョコのようにカラフルになるよう「marble marble マーブルマーブル」としました。
◾️喫茶巡りが趣味。通った1000軒ほどの喫茶店を【純喫茶リスト】にエリア別にまとめてます。
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◾️40代半ばから似合う服について考えるようになり、【ワードローブ】の研究記事も。
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