てんとてん

喫茶好きのイラストレーターの日常ブログ。てんからてんへ、ぼんやりとした日々。

夏の読書感想文【江戸川乱歩・D坂の殺人事件】と喫茶店【千駄木・コーヒー乱歩°】

今年も読書感想文の季節がやってきました。
読書感想文をここに綴るようになったのは2020年頃から。

 

夏休み。

ラジオ体操、プール、花火大会、お墓参り、ひまわりの観察、工作、絵画。

そして読書感想文。

 

小学生の夏休みのような気持ちを軽ーく味わいつつ、大人な今ならではの自由で簡単な文でまとめてみようと思います。

 

読書感想文に興味のない方は、後半に喫茶店のことも少し記したいなと思うので

そちらを楽しんでいただければと思います。

 

江戸川乱歩・D坂の殺人事件】

江戸川乱歩を初めて読みました。

短編ミステリー集の中の「D坂の殺人事件」を。

江戸川乱歩の作品で「明智小五郎」というキャラクターが初めて出てくるお話でもあります。

 

「D坂」というのは千駄木の「団子坂」のこと。

 

私は団子坂が徒歩圏内でして、同じく徒歩圏内の図書館でこれを借り、そして団子坂近くの喫茶店【コーヒー乱歩°】の前で、これを撮りました。

最近は不定休(週末のみ営業?)なのかな?

通りがかりに目にする機会の多い“乱歩”を、一度は読んでみたいなという気持ちで手に取りました。

 

前半、よくある2時間ドラマのサスペンスのようだ…と思い、

後半の明智小五郎の活躍で、それがひっくり返るような展開となり、いやそうだよな…江戸川乱歩の名作と呼ばれている本だもの。となりました。

 

そして、作品全体には既視感があったのですが、

これは逆ですね。

江戸川乱歩っぽいストーリー、ドラマというのが世の中にたくさんあるので、あーこれが元祖かあ〜と思いました。

私はあまりミステリーを読まないので詳しいことは解説できませんが、淀みのないクリアな物語の運び、かっこいい文章(ネーミングセンスもかっこよい…だって人名も、江戸川乱歩明智小五郎ですよ?)、

そしてところどころで読者に問いかける文章(「読書はどう思ったか?そろそろヒントに気づくだろう」…みたいな)も、私にとっては新鮮でした。

殺人事件の人物たちの性格、特徴の描写、それが伏線になるところも良かった。

 

全てが軽やかな文体。重ための小説も読む身にとっては新鮮。

また読んでみようっと。

 

 

茶店千駄木・コーヒー乱歩°】

挙げる喫茶店はもちろん「乱歩°」。

お店のご主人が江戸川乱歩のファンの方だったはず…。14年ほど前に千駄木に越した頃にはすでにありました。

今は不定休で、これはコロナのちょっと前の週末に足を運んだ時だったかな。

偶然ですが、【D坂の殺人事件】にも出てくるアイスコーヒー。

この作品では「白梅軒」という名の喫茶店が出てきて、“高等遊民”の明智小五郎はここで冷やしコーヒーを啜っているんです。

店内は随分とすっきり。

 

以前はもう少しいろんなものが並んでいました。

猫とジャズの似合う、そして遊び心のある、男の空間って感じでした。

特に猫さんは、店主さんが歴代で飼っていた猫のお名前がずらりと貼ってあったり、絵や写真もたくさん。

先ほどのアイスコーヒーの時はそれらがほとんど無くなっていたし、ご主人はいらっしゃらなかったので、色々と変化があったのかなあ。

 

個人的にはご近所の貴重な喫茶店で、毎日開いていた頃が懐かしいです。

谷根千って古い下町なんですけど、特に千駄木はそうなんですが「純喫茶」が少なくて。

 

だけど、ちょっと千駄木ならではの読書が楽しめたので良かったなあ。

【D坂の殺人事件】という作品が誕生したのは1924年で、もうすぐ100年。

ただそういった古さはピンとこないほどの洗練された文章でした。

 

なんか偉そうですがこんな感じで読書感想文ブログは夏の間だけ続きます。

普通の日記ブログと併せて読んでくださいね。

 

・・・・・てんとてん ten to ten・・・・・

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