解体の日がどんどん迫ってきた有楽町ビルヂング。
この見事な美しいタイルとももうすぐお別れなのか…
名残惜しい。
温もりのある/可愛らしい/当時の時代だからこそできた、凝った職人技
こういう要素が詰まった建物と、年々別れが増えちゃっているなー
地階のスタバ向かいにも、モザイクガラス(っていうのかな?)の素敵な壁画がある。
この建物を最初に知ったのは、杉浦さやかさんの「東京ホリディ」でした。
20年以上前に北海道で買った、イラストルポの本。
今読み返しても東京散歩における原点にして頂点というか。素敵なセレクトのお店ばかり。
(すでにないお店も多いので、思い出を振り返るという意味でも貴重な本)
これを読み、東京での「女の子が好きなレトロかわいいスポット」をたくさん知った。
20代の頃から憧れていた東京は、ここに詰まっている。
有楽町ビルヂング内の喫茶店『stone』は、そんなお店のひとつでした。
上京後初めて行った時はドキドキした。
当時の写真。
…ピンボケな上に何やら加工をした、こんな画像しか残っていない。
スマホも、なんなら有能な写真機能のついた携帯もない時代。
けど、そんな「残っていない」ってこと自体が、写真を撮る習慣があまりなかった当時らしさといえるような。
今はお店の方にお断りをして、たくさん記録を残すことができる。
飲んだのは、フレッシュジュースのフロート。夏らしく、キウイ味。
stoneはオーナーさんが娘さんの代になり、安全面などから椅子が変わったり、少しアメリカンなカフェテイストに変わった。
初期とは印象がまた違うのだけど、初代オーナーさんがお店をたたんだ時は、本当にこのまま閉業してしまうのだろうかという期間が長く続いた。
だから、再開の時にはすごく喜んだ。
変化はあっても、残ってくれているという嬉しさでいっぱいになる。
再開のニュースって心がぱーっと明るくなるんですよね。友人とも喜び合った。
だけど今度こそ、この飴色に染まった石材とも、床のタイルともお別れですね。
お別れは、9月だったかな。もう直ぐですね。
中央のソファ席もカーブを描く石材の壁も、有機的な形だったり。
改めてかっこいいです。
私は喫茶ファンアートを描くのが趣味です。
これは、stoneのフルーツサンドを絵に描いた時のものです。
パネルにしてお店に持って行き、実物と一緒に撮るという趣味時間。
家で、所持しているstoneのオリジナルマッチとも撮る。
「t」だけ細いロゴデザインは、シャープなお店の雰囲気とぴったりです。
それよりもっと前に、こんな絵も書いたことがある。
初代オーナー時のお店のインテリアです。
いろいろと拙い絵が続いていますが…
なんだか描くのは楽しいんです、やっぱり。
そんなふうに、有楽町stoneは長い間、憧れのトーキョーレトロの象徴のような場所でした。
移転を前に改めて思い出を振り返ってみたくて記事にしました。
今さらですけどこうやって絵に描いたり写真にしたり文字にしたりして、残していくことって大事なことなのかも。
こんなビルがあったなー、その頃はこんな時代だったなーって、ブログがこの先思い出を振り返られる場所になるといいなーと、思いました。
・・・・・てんとてん ten to ten・・・・・
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